事業を引き継いだ・代表が変わった|ホームページで先に確かめる3つと、引き継ぎの進め方・費用の目安
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「父から会社を引き継ぎました。ホームページはこのままでいいのでしょうか」「代表が交代したので、名前を変えてほしい」——このご相談は、たいてい引き継ぎが一段落したあとにいただきます。登記や金融機関の手続き、取引先へのご挨拶が先に動くので、ホームページは後回しになりやすいためです。
先にお伝えしたいのは、引き継ぐのはホームページという「もの」ではなく、それを動かしている契約・入る手段・表に出ている名前の3つだということです。順番も決まっていて、契約と入る手段が先、表記は最後になります。画面に出ている代表者名を打ち替えるだけなら数分の作業ですが、その数分の作業ができるのは、入る手段が手元にあるときだけです。そして入る手段は、契約が誰の名義かによって、取り戻せるかどうかが変わります。
この記事では、事業を引き継いだとき・代表が変わったときに、ホームページまわりで先に確かめる3つ、確かめ方、直す順番、費用の目安を、順を追って整理します。金額はすべて税込で、blancの料金ページに掲載しているものです。なお、登記や税務、許認可の届出そのものは、司法書士・税理士・行政書士などの専門家や所管の窓口の領域です。この記事で扱うのは、そこから先の「ホームページとドメイン、サーバー、メール」の範囲に限ります。
「代表が変わった」「事業を引き継いだ」というご相談の入り方
ひとくちに引き継ぎといっても、ホームページ側への影響は形によって変わります。ご自身の状況がどれに近いかを先に見ておくと、この先の読み方が決まります。
- 法人はそのままで、代表者だけが変わった——親族の方が引き継いだ、役員の方が昇格した、という形です。会社そのものは同じなので、契約の名義が「法人名」で取られていれば、契約は動かさずに済むことが多いところです。直すのは、表に出ている代表者名と、前の代表の個人名義になっている部分だけになります。
- 会社ごと引き継いだ(株式の譲渡など)——法人は残り、持ち主と代表が変わる形です。上と同じく、法人名義の契約はそのまま継続できることが多い一方で、支払いに使っているカードや口座が前の代表の個人のものだと、その支払い方法が使えなくなった時点で、次の更新のときに決済できず、契約が止まるおそれがあります。
- 事業だけを引き継いだ(法人格が別)——新しい会社や個人事業として、屋号・お客様・サイトを引き継ぐ形です。契約主体と表記の両方が変わるため、作業が増えやすい形です。ドメインもサーバーも契約主体が変わるため、いまの契約を引き継げるかどうかを契約先に確認し、案内に応じて登録者の変更・アカウントの譲渡・新しい契約・ドメインの移管などを行うことになります。表記も社名・住所・電話番号まで広く変わることが多くなります。
- 先代・前任者と連絡が取りにくい——ご逝去や体調のご事情、あるいは円満でない形での交代で、当時の資料が手元にない、という形です。確認する順番は同じですが、手がかりの集め方が変わります。分かるところから積み上げ、分からないところを契約先に問い合わせて埋めていく進め方になります。
どの形であっても、ご相談の最初にいただく言葉は「とりあえず名前だけ変えてください」であることがほとんどです。もっともなご依頼なのですが、名前を変えるためにサイトへ入れるかどうかが、この時点ではまだ分かっていません。そこで、次の3つを先に確かめます。
先に確かめる3つ
引き継ぐのはホームページそのものではなく、契約・入る手段・表に出ている名前の3つです。この順に確かめます。1つ目と2つ目は、放っておくと期限切れや連絡の取りこぼしという形で実害が出ます。3つ目は、直せば済むものです。
1つ目——契約が誰の名義で、誰が払っているか
ホームページが表示され続けるためには、ドメインとサーバーの2つが生きている必要があります。どちらも毎年または毎月の支払いがあり、止まればサイトは表示されなくなります。ここで見るのは、次の3点です。
- 契約者の名義——法人名か、前の代表の個人名か、制作会社の名前か。
- 支払いの方法——法人の口座やカードか、前の代表の個人カードか。
- 更新の期限——次の支払いがいつ来るか。
この3点のうち、引き継ぎで問題になりやすいのは支払いの方法です。名義が法人のままでも、登録されているカードが前の代表の個人カードだと、そのカードが使えなくなった時点で、次の更新のときに決済できず、契約が止まるおそれがあります。しかも、決済ができなかったことや停止の案内は、登録されている連絡先に届く場合がありますが、必ず届くとは限りません。届いたとしても、その宛先が前の代表の個人アドレスだった場合は、誰も気づかないまま期限が過ぎることがあります。
もうひとつ、名義には見落としやすい形があります。契約は法人名で取られているのに、管理画面に入るためのIDが前の代表の個人アドレスになっている、という組み合わせです。この場合、契約そのものは会社のものなので継続できる見込みは高いのですが、入り口だけが個人に紐づいたまま残ります。そのアカウントや権限を新しい代表へ引き継げるかどうかは、契約先の本人確認や運用によりますので、あわせて確認が必要です。名義を見て「法人名だから大丈夫」と判断してしまいやすいところなので、名義と入り口は分けて確認してください。
2つ目——入る手段(管理画面のID)が手元にあるか
入る手段とは、次のような管理画面に入るためのIDとパスワードのことです。
- ドメインを管理している会社の管理画面
- サーバーの管理画面
- WordPressなど、サイトの中身を更新する管理画面
- メールの設定を変える画面(サーバーの管理画面と同じことが多いところです)
これらが手元にあり、編集の権限があって、直したい箇所が管理画面から編集できる作りであれば、表記の直しはその日のうちに進められます。無い場合でも、1つ目の契約がはっきりしていれば、契約先の本人確認や引き継ぎの手続きを使える場合があります。ただし、戻せるかどうかと必要な書類は契約先ごとに違います。契約が誰のものか分からず、入る手段も無い状態がいちばん時間がかかります。どこに契約があるのかを探すところから始めることになるためです。
3つ目——表に出ている名前が、いまの実態と合っているか
ここでいう名前は、代表者名だけではありません。会社概要の代表者、あいさつ文の署名、社名、住所、電話番号、そして許認可の番号や登録名です。事業を引き継いだ形によっては、これらがまとめて変わります。あわせて、サイトに載せている許認可番号や登録名が、実際の届出内容と合っているかもご確認ください。届出そのものは所管の窓口や専門家の領域ですが、サイトの表記だけが古いまま残るのは、こちらで直せる話です。
この3つのうち、お客様が最初に気にされるのは3つ目です。実際に目に見えているのがそこだからです。ただ、3つ目は1つ目と2つ目が揃わないと直せません。だから順番は、契約、入る手段、表記の順になります。
なぜ「表記の直し」を先にしないのか
理由は2つあります。
ひとつは、いま書いたとおり、入る手段が無ければ直しようがないからです。「代表者名を1か所変えるだけ」という小さなご依頼であっても、管理画面に入れなければ着手できません。先に表記の話を進めてしまうと、直す内容が固まったところで手が止まります。
もうひとつは、契約と入る手段のほうには期限があるからです。表記が古いままでも、サイトは表示され続けますし、お問い合わせも届きます。読む方に「まだ前の代表のままだ」と思われるという点では困りますが、それは日が経っても取り返せます。一方で、そのドメインをサイトとメールの両方に使っている場合、ドメインの更新が止まればどちらも使えなくなることがありますし、契約先が分からないまま期限が来れば、ドメインそのものを手放すことになりかねません。ドメインの有効期限が切れるとどうなるかは別の記事にまとめています。
順番を守るというのは、表記を後回しにするという意味ではありません。取り返しがつかなくなる側から手をつける、という意味です。実際の作業では、契約の確認を進めながら、並行して表記の洗い出しをしておくのがいちばん早い進め方です。
契約を確かめる——ドメイン・サーバー・メール
手元に資料が無くても、調べる手がかりはあります。順に見ていきます。
ドメインは、名義と管理先と支払い方法を見る
ドメイン(example.co.jp のような、サイトの住所にあたるもの)には、登録した情報が記録されています。この情報の一部は公開されていて、誰でも確認できます。ただし、公開されている情報がそのまま「契約者」とは限りません。制作会社が代行して取得した場合、公開情報には制作会社の名前が出ていることがありますし、逆に会社名が出ていても、管理画面を握っているのは別の会社ということもあります。
そのため、確認は次の順で進めます。
- ドメインの公開情報を見て、どこの会社を通じて登録されているかの見当をつける
- その会社からの請求書や、更新のお知らせメールが残っていないか探す(前の代表の受信箱や、経理の書類に残っていることがあります)
- 見当がついたら、その会社の窓口に「契約者と、登録されている連絡先を確認したい」と問い合わせる
名義が制作会社になっている場合の進め方は、ホームページのドメインが制作会社名義になっているにまとめています。引き継ぎのタイミングは、この名義を自社に整理しておく良い機会でもあります。
なお、.co.jp のドメインは、原則として日本国内で登記された法人など、登録の資格がある組織を対象にしたものです。法人格が変わる引き継ぎ方をした場合、このドメインをそのまま使い続けられるかどうかは、登録の規則にかかわる話になります。該当しそうな場合は、自己判断で手続きを進めず、登録先の窓口に事情を伝えて確認してください。
サーバーは、契約者と支払い方法を見る
サーバーは、ホームページのデータが置かれている場所です。こちらも契約者名義と支払い方法を確認します。ドメインと同じ会社で契約していることもあれば、別々のこともあります。
手がかりが何も無い場合でも、サイトが表示されているのであれば、技術的な接続先から手がかりを得られることがあります。ただし、そこで分かるのは接続先や設備を提供している会社までで、実際にどこと契約しているかまで特定できるとは限りません。他社のサーバーを借りて再販している形や、制作会社がまとめて契約している形では、表に出てくる名前と契約先が一致しないためです。見当がついたら、その会社に問い合わせて確かめる形になります。ただし、会社が分かることと、契約を引き継げることは別です。本人確認の書類を求められることがあり、代表者が変わっている場合は、その変更が分かる書類も必要になることがあります。何が必要かは会社ごとに違いますので、最初の問い合わせのときに一式を聞いておくと、やり取りの往復が減ります。
更新の期限は、どこで確認するか
期限は、次の場所で確認できます。手元に契約書が無くても、たいていはたどり着けます。
- ドメインの有効期限——公開情報で登録日や有効期限を確認できる場合があります。公開される項目はドメインの種類によって違いますので、確認できないときは管理画面か、登録先の窓口で確認してください。ドメインを扱っている会社のサイトに、この情報を調べるための入力欄が用意されていることが多いところです。
- サーバーの契約期限——管理画面に入れる場合は、契約情報のページに次回の更新日と支払い方法が出ています。入れない場合は、契約先の窓口に問い合わせることになります。
- 更新のお知らせメール——契約先から案内が届いていることがあります。届く時期も回数も契約先の設定によって違いますので、期間を絞らず、前の代表の受信箱を古いものまでさかのぼって探してみてください。
期限が分かったら、その日付を社内の予定に入れておいてください。引き継ぎの直後に確認しても、次に思い出すのは1年後です。そのときに担当が変わっていると、また同じ状態に戻ります。
メールは「誰が受け取っているか」を見る
見落とされやすいのがメールです。会社のメールアドレスがサーバーの契約に含まれている場合、サーバーが止まればメールも同時に止まります。そして、止まったことに気づきにくいのがメールの怖いところです。届かなくなった相手にエラーが返ることもありますが、返らないこともあり、そのときは連絡が来なかったという事実だけが残ります。
引き継ぎの場面では、あわせて次の点を確認しておいてください。
- 前の代表あてのアドレスに、いまも取引先からの連絡が届いていないか
- そのアドレスを、誰が見ているか
- お問い合わせフォームからの通知が、どのアドレスに届いているか
前の代表のアドレスを、引き継ぎの直後に止めてしまうのは避けてください。取引先の連絡先はすぐには入れ替わりません。転送するか、しばらく受け取れる状態のまま残して、新しいアドレスへの案内を出しながら移していくほうが安全です。メールが届かない・送れないときの切り分けは、会社のメールが届かない・送れないにまとめています。
お問い合わせフォームの通知先が、個人のアドレスになっている場合
ホームページのお問い合わせフォームには、送信された内容の通知が届く先が設定されています。この設定が、前の代表の個人アドレスや、退職された方のアドレスになっていることがあります。
この状態は、外からはまったく見えません。フォームの送信は成功しますし、お客様には「送信しました」と表示されます。届いていないのは、こちら側だけです。引き継ぎの確認では、実際にフォームから1通送ってみて、どのアドレスに届くかを確かめてください。そのとき、自社に届く通知と、送った側が受け取る自動返信の両方を見ます。自動返信の署名に前の代表の名前が入っていることも、あわせて分かります。
お問い合わせが届かないときの切り分けは、ホームページのお問い合わせが届かないにまとめています。
前の代表の個人名義・個人アカウントのままだと何が起きるか
実際のご相談で多いのが、この形です。前の代表が、ご自身の個人名義・個人のメールアドレス・個人のカードで一式を契約されていた、という状態です。動いている間は何も起きませんが、引き継ぎ後に次のようなことが起こります。
- 更新のお知らせが、誰も見ていないアドレスに届き続ける
- カードの有効期限が切れる、あるいは解約されて、更新の支払いが止まる
- パスワードを再発行しようとすると、確認のメールが個人アドレスに飛んでしまい、受け取れない
いずれも、気づいたときには期限が過ぎているという形で表面化します。ですので、管理画面に入れることを確かめ、サイトの管理画面には新しい管理者を作り、サーバーやドメインの管理画面はアカウントを分けて作れる場合に新しいアカウントを作って必要な権限が付いていることを確かめたら、次に手を入れるのはこの「お知らせの届き先」と「支払いの手段」です。名義変更そのものは書類のやり取りで時間がかかることがありますが、連絡先のアドレスと支払いカードの登録だけは、管理画面から先に変えられることが多いところです。契約先が、名義変更より先にこれらを変えることを認めていない場合は、名義変更と一緒に申し出ることになります。
入る手段を確かめる——管理画面のID
サイトの管理画面
WordPressなどで作られたサイトには、中身を更新するための管理画面があります。編集の権限があり、直したい箇所が管理画面から編集できる作りになっていれば、代表者名や社名の表記は自社で直せます。入れることと、直せることは別です。権限が閲覧だけだったり、その部分がテンプレートやHTMLに直接書かれていて管理画面に出てこなかったりすることがあります。IDとパスワードが分からない場合の切り分けは、ホームページの管理画面に入れないにまとめています。
引き継ぎの場面で特にお願いしたいのは、前の代表のアカウントをすぐに削除しないことです。そのアカウントが、サイトの中で唯一の管理者だったり、投稿の書き手として紐づいていたりすることがあります。先に新しい管理者のアカウントを作り、そちらで入れることを確かめる。前のアカウントの権限を落とすのは、このあと出てくる「お知らせの届き先と支払いの変更」が反映され、名義の変更が要る契約はその手続きも終わったあとです。この順で進めてください。
ここまでは、サイトの管理画面の話です。サーバーやドメインの管理画面は、扱いが違います。こちらは、そもそもアカウントを複数作れないことがあり、1つのログインが契約情報・請求先・パスワードの再発行の受け取りを兼ねていることが普通です。
ですので、次のように分けて進めてください。
- アカウントを分けて作れる場合——新しいアカウントを作り、そのアカウントで契約情報・請求・パスワードの再発行の受け取りまで扱えることを確かめます。あわせて、メールアドレスの追加や転送の設定、ドメインの向き先の設定など、引き継いだあとに必要になる操作の権限が付いているかも確かめてください。契約先によっては、これらの権限が分かれていることがあります。確認は、権限の一覧を見る、設定の画面が開けるかを見る、契約先に聞く、のいずれかで行ってください。確かめるために本番の向き先を実際に変更するのは避けてください。設定の内容によっては、サイトやメールが止まるおそれがあります。権限が付いていないものがあれば、その権限を追加してもらうか、操作できるアカウントを用意するまで、前のアカウントを残してください。そのうえで、お知らせの届き先と支払いの変更を済ませ、名義の変更が必要な契約はその手続きも終えて、変更が実際に反映されたのを見てから、前のアカウントの権限を落とします。
- アカウントを分けて作れない場合——契約先の手順に沿って、ログインのID、パスワードの再発行の受け取り先、登録されている連絡先を、自社のものに変えます。ここでは「前のアカウントを止める」のではなく「そのアカウントの中身を自社のものに入れ替える」形になります。
どちらの場合も、お知らせの届き先と支払いの変更が反映され、名義の変更が要る契約はその手続きも終わるまで、前の入り口を先に閉じないでください。名義変更の途中で、契約先から前の登録内容あてに確認が来ることがあります。閉じたあとで変更や確認が必要になると、それを行うための入り口が無くなります。
「サイトの管理画面」と「サーバー・ドメインの管理画面」は別のもの
ここは混同されやすいところです。管理画面と呼ばれるものは、少なくとも3種類あります。
- サイトの管理画面——文章や写真を差し替えるところです。WordPressの管理画面がこれにあたります。
- サーバーの管理画面——サイトのデータが置かれている場所を管理するところです。メールアドレスの追加や削除も、たいていここで行います。
- ドメインの管理画面——ドメインの名義や、どのサーバーを指すかを管理するところです。
「管理画面のIDは分かります」と言われて確認すると、サイトの管理画面だけということがよくあります。編集の権限があり、直したい箇所が管理画面から編集できる作りであれば、表記を直すだけならそれで足ります。ただ、引き継ぎで確かめるべきなのは残りの2つです。サイトが表示され続けるかどうか、メールが届き続けるかどうかは、こちらの2つで決まります。
制作会社に任せていた場合
更新のたびに制作会社へ依頼していた場合、そもそも自社に管理画面のIDが無いことがあります。この場合は、制作会社に引き継ぎの旨を伝えて、今後の進め方を相談することになります。引き続きお願いするのであれば、代表者が変わったことと、請求先・連絡先の変更を伝えるだけで済みます。
連絡が取れない場合は、ホームページ制作会社と連絡が取れない、制作会社が廃業した・連絡先が消えたにまとめた進め方が使えます。担当されていた方が退職されて社内に分かる人がいない場合は、ホームページの担当者が退職したもあわせてご覧ください。
パスワードの引き継ぎで、やってはいけないこと
引き継ぎのときに、前の代表から紙やメモでIDとパスワードを渡されることがあります。受け取ること自体は必要なのですが、次の2点はあわせて行ってください。
- 受け取ったパスワードを、そのまま使い続けない。誰が知っているか分からない状態のまま使うのは避けてください。ただし、何をするかは画面の種類と契約の形で変わります。サイトの管理画面は、前の管理者の権限を落としたうえで、そのアカウントのパスワードも変えます。サーバー・ドメインの管理画面は、アカウントを分けて作れる場合は前のアカウントの権限を落とし、分けて作れない場合は受け取ったパスワードを変えます。下に書いた順で進めてください。
- 変更する前に、必ず入れることを確かめる。入れないまま変更しようとして、再発行の確認メールが前の代表のアドレスに飛んでしまう、という詰まり方をすることがあります。
順番は、サイトの管理画面と、サーバー・ドメインの管理画面で分けて考えてください。サイトの管理画面は、入れることを確かめる、新しい管理者を作る、その新しい管理者で実際に入れることを確かめる、という流れです。前のアカウントのパスワードを変えるのは、このあとに出てくる「お知らせの届き先・支払い・再発行の受け取り先の変更」が反映され、名義の変更が要る契約はその手続きも終わったあとです。サイトの管理画面のアカウントであっても、それが契約側の再発行の受け取りに使われていることがあるためです。サーバー・ドメインの管理画面は、入れることを確かめる、新しいアカウントを作れる場合は作成して必要な権限が付いていることを確かめる、登録されている連絡先・支払い方法・パスワードの再発行の受け取り先を自社のものに変える、名義の変更が要る契約はその手続きも終える、という流れです。そこまで済んでから、アカウントを分けて作れた契約は前のアカウントの権限を落とし、分けて作れない契約は受け取ったパスワードを変えます。いずれも、前の入り口を閉じるのはいちばん最後です。乗っ取りの被害に遭ったあとの対応は、ホームページが改ざんされた・乗っ取られたにまとめています。
表記を直す——法人はそのままで、代表だけが変わる場合
契約と入る手段が揃えば、ここから先は探す作業になります。代表者名がサイトの何か所に入っているかを洗い出します。
画面を開けば見える場所は、次のあたりです。
- 会社概要・企業情報のページの代表者欄
- ごあいさつ・代表メッセージのページと、その署名
- トップページに代表の写真やメッセージを出している場合、その部分
- 採用ページの「代表から」といったコーナー
- お知らせ・ブログの過去記事の署名
画面を開いただけでは見えにくい場所もあります。
- 会社概要のページに埋め込まれている、検索エンジン向けの会社情報(表には出ませんが、代表者名が入っていることがあります)
- お問い合わせフォームの自動返信メールの文面と、差出人の名前
- ページの説明文(検索結果に出る短い紹介文)
- PDFで置いている会社案内、パンフレット、申込書
- 画像の中に文字として入っているもの(あいさつ画像、バナー)
画像とPDFは、文字の打ち替えでは直りません。元のデータが残っていれば、その一部を直すだけで済みます。残っていない場合でも、完成しているデータの状態によっては部分的に直せることがあり、それができないときは作り直しになります。ここは早めに手をつけておくほうが、全体の段取りに余裕が出ます。
見えない場所を、どうやって探すか
探し方には順番があります。手当たり次第にページを開いていくと、取り残しが出やすくなります。
- 検索エンジンで、自社サイトの中だけを対象に前の代表者名で検索する——検索の窓に
site:example.co.jp "前の代表者名"のように、site:に続けて自社のドメイン、そのあとに探したい名前を入れます。そのサイトの中で名前が出ているページだけが並びます。ただし、検索に登録されていないページや、登録が古いページは出てきません。ここで出たものは「確実にあるもの」、出なかったものは「無いとは言えないもの」として扱ってください。 - サイトの管理画面で、本文を対象に検索する——WordPressなどであれば、投稿や固定ページの本文を横断して探せます。1の取りこぼしは、ここで拾えます。
- PDFの中を探す——サイトに置いてあるPDFを開いて、中の文字を検索します。会社案内、申込書、料金表など、更新の機会が少ない書類ほど古い情報が残っています。紙をスキャンしたPDFや、文字が画像として入っているPDFは検索に出てきません。検索できないPDFは、各ページを目で見て確かめてください。
- 画像は、目で見るしかありません——文字として検索できないためです。あいさつ画像、バナー、看板の写真など、文字が入っていそうなものを順に開いて確認します。
この4つを通すと、残りはかなり少なくなります。1だけで済ませないでください。検索に出てくるのはサイトの一部分だけです。
サイトの外にある登録先を洗い出す
代表者名や社名が出ているのは、自社のホームページだけではありません。むしろ、外にある登録先のほうが後まで残ります。自社では直せないぶん、気づいたときに手が届きにくいためです。
よくある登録先は、次のとおりです。
- Googleのビジネス情報——地図に出てくる会社情報です。ここは、代表者名よりも住所・電話番号・営業時間が実害に直結します。
- 業界のポータルサイト・比較サイト——何年も前に登録したまま、こちらが忘れているものが出てきます。
- 商工会・組合・自治体の名簿——紙とウェブの両方にある場合があります。
- 求人サイト——過去に出した募集の情報が残っていることがあります。
- SNSのアカウント——プロフィール欄の会社情報と、リンク先のURL。
- 取引先のサイトの「導入企業」「協力会社」欄——先方に直していただく必要があります。
洗い出しの方法は単純です。自社名・前の代表者名・電話番号のそれぞれで検索して、上から順に見ていくことです。検索結果に出てこない登録先もありますので、これで全部だと考えないでください。見つけた登録先はそのまま一覧にしておくと、次に何かが変わったときにも使えますし、あとから見つかった分を足していけます。
直す順番は、読む方が実際に連絡や来訪に使う情報からです。住所と電話番号が入っている登録先を先に直し、代表者名だけの登録先はその後で構いません。
法人格が変わる・事業だけを引き継いだ場合に増えること
新しい会社や個人事業として引き継いだ場合は、代表者名だけでなく、社名・住所・電話番号・振込先まで変わることが多くなります。この場合にやることは、社名変更・移転でホームページはどこを直す?とほぼ同じになりますので、そちらもあわせてご覧ください。引き継ぎに固有で増えるのは、次の点です。
- ドメインとサーバーの契約主体が変わる——まず、いまの契約を新しい会社へ引き継げるかどうかを契約先に確認してください。そのうえで、登録者の変更、アカウントの譲渡、新しい契約、管理会社の移管など、契約先から案内された手続きを行います。ドメインについては、登録者を変える手続きと、管理している会社を移す手続きは別のものです。どちらが必要かも、契約先に確認してから進めてください。
- 新しく契約し直す形になる場合の順番——先に旧契約を止めないでください。新しい環境を用意し、サイトのデータとメールを移し、表示と送受信を確かめ、ドメインの向き先を切り替える。旧契約を止めるのは、そのすべてが済んだあとです。とくにドメインは、自己判断で解約しないでください。解約すると他の人が取得できる状態になり、取り戻せなくなることがあります。
- 過去の実績や取引先の記載をどう扱うか——前の会社の実績として載っているものを、そのまま新しい会社の実績として出せるとは限りません。掲載しているお客様のお名前や写真については、あらためて確認を取っておくほうが安全です。写真の扱いはホームページに載せる写真、その1枚は使って大丈夫?にまとめています。
- お客様への案内をどこに出すか——引き継いだことをサイトのどこかで知らせるかどうかは、事業の性質によります。出す場合は、お知らせに1本立てて、トップページから見える形にしておくのが分かりやすい形です。
前の代表・前のご担当から受け取っておくもの
引き継ぎのときに、次のものが揃っているかを確認してください。連絡が取れるうちに確認しておくと、後の手間がまったく変わります。
- ドメインの契約先と、管理画面のIDとパスワード——どこの会社で取っているか、更新の期限はいつか。
- サーバーの契約先と、管理画面のIDとパスワード——支払い方法もあわせて。
- サイトの管理画面のIDとパスワード——WordPressなどの場合。
- 制作会社の連絡先——どこまでを頼んでいたか、契約が続いているかどうか。
- メールアドレスの一覧——誰のどのアドレスが生きているか、どこへ転送されているか。
- お問い合わせフォームの通知先——どのアドレスに届く設定になっているか。
- Googleのビジネス情報の管理権限——地図に出てくる会社情報です。前の代表の個人アカウントに紐づいていることが多い部分です。
- アクセス解析の管理権限——こちらも個人アカウントに紐づいていることがあります。ビジネス情報とは別のサービスですので、別々に確認してください。
- サイトの元データ——画像の元ファイル、PDFの元データ、ロゴのデータ。
すべては揃わないのが普通です。揃わないこと自体は珍しくありません。ただ、揃っていない項目は、更新の期限までに問い合わせで埋められるかどうかを早めに確かめてください。埋まらないまま期限が来ると、契約が止まることがあります。いちばん困るのは、何が揃っていないのかが分かっていない状態のまま日が過ぎることです。データを手元に残しておく方法は、ホームページのバックアップは何を、どこに、どれくらい残すかにまとめています。
直す順番(実際の段取り)
ここまでの内容を、実際に進める順に並べます。契約と入る手段が先、表記は最後という順番は、ここでも同じです。
- ドメインとサーバーの契約先・名義・支払い方法・更新期限を確認する
- 各管理画面に入れることを確かめる。入れなければ、契約先に再発行や引き継ぎの手続きを申し出る
- サイトの管理画面は、新しい管理者のアカウントを作り、そちらで入れることを確かめる
- サーバーやドメインの管理画面も、アカウントを分けて作れる場合は、新しいアカウントを作り、そのアカウントで契約情報・請求・パスワードの再発行の受け取りに加えて、引き継いだあとに必要になる操作(メールアドレスの追加や転送の設定、ドメインの向き先の設定)の権限が付いていることを確かめる。権限の一覧を見るか、設定の画面を開けるかで確認し、分からなければ契約先に聞く。確認のために本番の向き先を変更してはいけません
- 更新のお知らせが届くアドレスと、支払いのカードや口座を、自社のものに変える。アカウントを分けて作れないものは、契約先の手順に沿って、ログインのIDと再発行の受け取り先も自社のものに変える。契約先がこれらの先行変更を認めていない場合は、ここで無理に進めず、名義変更と一緒に申し出る
- 名義の変更が必要な契約は、契約先の手順に沿って済ませる(法人名義のまま継続できる契約は、この工程は要りません。5番の先行変更ができなかった契約先では、5番の内容もここで一緒に申し出ます)
- ここまで済んでから、前の入り口を閉じる。サイトの管理画面は、前の管理者の権限を落とし、そのアカウントのパスワードを変える。サーバーやドメインの管理画面は、アカウントを分けて作れた契約なら前のアカウントの権限を落とす。分けて作れない契約なら、ログインのIDと再発行の受け取り先の変更が反映されたことを確かめたうえで、前の代表から受け取ったパスワードを変える
- メールの受け取り状況を確認する。前の代表あてのアドレスは、転送するか、しばらく残す
- サイトの中の代表者名・社名・住所を洗い出す。画像とPDFに先に着手する
- 表に見える表記と、見えない設定(自動返信、差出人名、ページの説明文)をまとめて直す
- お問い合わせフォームから1通送って、自社に届く通知と、社外のアドレスで受け取る自動返信の両方を確かめる
- サイトの外にある登録先(地図、ポータル、名簿)を直す
- しばらく日を置いてから、前の代表者名や旧社名で検索して、残りを片づける。1回で終わりにせず、期間を空けて何度か見直す
このうち、順番を動かさないでいただきたいのは1から8までです。ここは、間違えると取り返しがつきにくい部分です。9から13は、都合のよい順で構いません。
ただし、5番の先行変更を認めていない契約先もあります。その場合は、5番の内容を6番の名義変更と一緒に申し出る形になります。7番の「前の入り口を閉じる」に進んでよい条件は、契約の形で分かれます。アカウントを分けて作れる契約では、4番で新しいアカウントに必要な権限が付いていることを確かめ、5番の変更が反映され、名義の変更が必要な契約は6番の手続きも終わったあとです。アカウントを分けて作れない契約では、5番で変えたログインのIDと再発行の受け取り先が実際に反映されたことを確かめ、6番が必要ならその手続きも終わったあとになります。必要な変更が反映される前に前の入り口を閉じると、その変更をするための入り口が無くなります。権限が分かれていて新しいアカウントには必要な権限が付いていないことが分かった場合は、その権限を追加してもらうか、操作できるアカウントを用意できるまで、前のアカウントを残してください。
費用の目安
引き継ぎにともなう作業は、決まった一式の料金があるものではありません。契約の名義がどうなっているか、入る手段が手元にあるか、直す場所がいくつあるかで、大きく変わるためです。ここでは、この作業で関係することの多い項目を、blancの料金ページから作業名・金額・備考をそのまま引いて挙げます。どの項目がいくつ当たるかは、確認の結果を見てからお見積りのときにご案内します。ここに当てはめて総額を出すことはしていません。
- ログイン情報の調査・復旧 11,000〜33,000円(税込)——管理画面・サーバー・ドメインの権限を確認し、入れる状態まで戻します。契約先が分からない場合の調査を含みます。
- ドメイン移管代行 22,000〜33,000円(税込)——他社からの移管手続きと、移管後のサイト表示・メール受信の確認まで。ドメイン維持費用は含まれません。
- ネームサーバー設定代行 5,500〜11,000円(税込)
- サーバー移転代行 33,000〜88,000円(税込)——サーバー維持費用は含まれません。
- サーバー移転代行(データベース含む) 55,000〜165,000円(税込)——サーバー維持費用は含まれません。ページ数・メールアカウント数により増減します。
- サーバー構築・ドメイン取得代行 33,000〜55,000円(税込)——ドメイン維持費用は含まれません。
- サイトデータバックアップ 11,000〜22,000円(税込)——FTP接続の場合。
- サイトデータバックアップ(データベース含む) 33,000〜55,000円(税込)——phpMyAdmin利用の場合。
- メールアカウント設定代行 1,100円(税込)——1アカウントにつき。10件以上はまとめてお見積りします。
- 基本作業料金 5,500円(税込)——簡単なテキスト修正等含みます。
- HTML修正 5,500円(税込)——1ページあたり。
- HTMLタグ挿入 1,100円(税込)——Googleアナリティクスタグやメタタグなど(1点/1P)。
- 写真差し替え 550円(税込)——写真1点につき。
- PDF作成・修正 5,500〜22,000円(税込)——ページ数と元データの有無により変わります。
- 社名変更・移転にともなう全ページ修正 33,000〜88,000円(税込)——社名・住所・電話番号の全ページ差し替えと、地図・PDF・フォーム送信先の直し忘れ確認まで。
- CMSコンテンツ調整(新着情報・施工事例・ブログなど) 33,000〜110,000円(税込)——WordPressなど。
- 更新操作のレクチャー(1時間) 11,000円(税込)——オンラインまたはご来社。操作手順書をお渡しします。
- ドメイン・サーバー管理 年間11,000円(税込)——ドメインとサーバーの維持管理を行います。対象ドメインは「.com」や「.net」などのgTLD(分野別トップレベルドメイン)です。
あわせて、次の2点をご承知おきください。
- 料金表のHTML関連の項目(基本作業料金、HTML制作、HTML修正、HTMLタグ挿入、google map設置、スライダー設置)には、「Wix・Jimdo等のホームページ作成サービスで作られたサイトは、編集制約のため作業時間が増えますので、上記料金の1.5倍となります」という但し書きが付いています。この但し書きはHTML関連の表に対するものです。
- 価格表に無いものについては、別途お見積もりとなります。
ご依頼前のご相談とお見積りは無料です。「何が引き継げていて、何が引き継げていないのかも分からない」という状態でご相談いただいて構いません。確認の段階からご一緒するほうが、あとから出てくる取りこぼしを減らしやすくなります。
費用が大きく変わる分かれ目
上に挙げた金額に幅があるのは、引き継ぎの状況によって手間がまるで変わるためです。分かれ目になるのは、次の3つです。
- 契約主体が変わるかどうか——法人がそのままで代表だけが変わる場合は、契約を動かさずに済むことが多いところです。法人格が変わる場合は、契約先の指示に沿った手続きが加わります。
- 入る手段が手元にあるかどうか——あれば、契約先を調べて権限を戻す工程を省けます。無ければ、その工程が先に付きます。
- 直す場所がいくつあるか——代表者名だけなら数か所です。社名・住所・電話番号まで変わり、画像やPDFの作り直しが必要になると、ページ数に応じて増えていきます。
入れる状態から始められるかどうかは、工程が1段まるごと変わるという点で費用に影響します。ただし、いちばん大きく効くのがどれかは状況によります。契約の変更や移転が必要になるか、データの量がどれくらいか、直す場所がいくつあるかによっても、大きく変わります。
いずれにしても、引き継ぎのときに前の代表と連絡が取れて、IDと契約先を教えていただけるのであれば、そのぶん調べる工程が減ります。お渡しできる情報を集めていただくことが、そのまま作業量を減らすことにつながる、という珍しい形の作業です。
引き継いだことを、サイトで知らせるかどうか
お知らせを出すかどうかは、事業の性質によります。決まった正解はありませんので、判断の材料だけ挙げます。
出しておいたほうがよいのは、お客様や取引先が、代表者名で会社を認識している場合です。地域のお店、士業、建設業、長くお付き合いのある取引先が中心の事業などが当てはまります。この場合、何も告知がないまま名前が変わっていると、別の会社になったのかと受け取られることがあります。お知らせに1本立てて、経緯と、これまでどおり続けることを短く書いておくだけで足ります。
急がなくてよいのは、お客様が会社名やサービス名で選んでいる場合です。この場合は、代表者名の変更が読む方の判断に影響しにくいところです。会社概要の表記を直しておけば足ります。
どちらの場合でも、出すと決めたお知らせは、表記の直しが済んでから公開してください。お知らせだけが先に出て、会社概要が古いままだと、かえって不安を与えます。
自分でできる範囲と、頼んだほうが早い範囲
すべてをご依頼いただく必要はありません。分け方の目安は、次のとおりです。
ご自身で進めやすいのは、探すことと決めることです。契約書や請求書を探す、前の代表に聞く、社内で誰がどのアドレスを見ているかを整理する、更新の期限を控える。これらは、事情をご存じの方が動くほうが確実に早く済みます。管理画面に入れて、編集の権限があり、その箇所が管理画面から編集できる作りであれば、会社概要の代表者名を打ち替えるところまでは、ご自身でも十分に進められます。
ご依頼いただいたほうが早いのは、入れない状態からの復旧と、取りこぼしの洗い出しです。契約先が分からないところから調べる、名義変更や移管の手続きを進める、サイト全体から古い表記を探し出す、画像やPDFを作り直す。このあたりは、手順を知っているかどうかで所要時間が大きく変わります。
また、サーバーやドメインの向き先を変える作業だけは、ご自身での作業をおすすめしません。設定を1つ間違えると、そのドメインをサイトとメールの両方に使っている場合は、どちらも同時に止まります。しかもメールは、止まったことに気づきにくいところです。
引き継いだあと、続けて必要になること
表記が直り、契約と入る手段が自社で管理できる状態になったら、ひととおりの引き継ぎは終わりです。そのうえで、代替わりのタイミングで一度見ておくとよいものが3つあります。
ひとつめは、サイトそのものの状態です。何年も手を入れていないサイトは、スマートフォンで見づらくなっていたり、使っている仕組みが古くなっていたりします。いまのサイトを直して使うか、作り直すかの判断材料は、ホームページは直す?作り直す?にまとめました。まず現状を把握したい場合は、ホームページの健康診断もご覧ください。
ふたつめは、安全にかかわる部分です。長く手を入れていないサイトは、使っている仕組みのバージョンが古いままになっていることがあります。また、引き継ぎの過程では、どうしてもパスワードが人の手を渡ります。上の段取りの7番までに必要なパスワードの変更が済んでいることを確かめ、いま誰がどの画面に入れるのかを一覧にしておいてください。ブラウザに「保護されていない通信」と出る状態が残っている場合の対処は、ホームページに「保護されていない通信」と出るにまとめています。
みっつめは、これから誰が更新するかです。ご自身で更新できるようにしたい場合はホームページを自分で更新できるようにしたいを、任せる形にする場合はホームページの保守契約は必要?をご覧ください。引き継ぎで整理した契約と管理画面の情報は、次に引き継ぐときのためにまとめて残しておいてください。今回いちばん手間がかかったのは、その情報が残っていなかったことのはずです。
実際のご相談で多いつまずき
これまでにいただいたご相談から、つまずきやすいところを挙げます。
- 「動いているから大丈夫」と判断して、契約を確認しないまま1年が過ぎる——動いていることは、契約が引き継げていることの証明にはなりません。名義や支払い方法、お知らせの届き先に問題があれば、次の更新のときに止まるおそれがあります。
- 前の代表のメールアドレスを、引き継ぎの直後に削除する——取引先からの連絡と、契約更新のお知らせの両方が届かなくなります。
- 前の代表の管理画面アカウントを、先に削除する——そのアカウントが唯一の管理者だった場合、誰も入れなくなります。
- 会社概要だけ直して終わりにする——あいさつ文の署名、フォームの自動返信、PDFの会社案内に、古い名前が残ります。
- ドメインを新しくして、古いドメインをすぐに解約する——名刺や過去の資料に載っているURLからたどれなくなります。古いドメインは、しばらく残して転送しておくほうが安全です。転送の設定についてはホームページのURLを変更した際のリダイレクト設定とその重要性もあわせてご覧ください。
- 引き継ぎのついでに、サイトの作り直しまで同時に進めようとする——引き継ぎは期限のある作業、作り直しは期限のない作業です。同時に進めると、期限のあるほうが遅れます。
よくあるご相談
前の代表の名義のままですが、いまのところ動いています。急いで変える必要はありますか
次の更新の期限までに、お知らせの届き先と支払いの手段だけは変えておくことをおすすめします。その前に、管理画面に入れることを確かめ、サイトの管理画面には新しい管理者を作り、サーバーやドメインの管理画面もアカウントを分けて作れるなら新しいアカウントを作って必要な権限を確かめてください。契約先がこれらの先行変更を認めている場合は、名義そのものの変更は手続きに時間がかかることもありますので、そのあとで構いません。認められていない場合は、名義変更と一緒に申し出ることになります。動いているうちに手をつけておくのと、止まってから動くのとでは、手間がまったく変わります。
ドメインの名義変更は、自分でできますか
契約先の管理画面に入れる状態であれば、ご自身で進められることが多いところです。必要な書類や手順は会社ごとに違いますので、まずは契約先の窓口にご確認ください。入れない場合や、契約先が分からない場合は、そこの調査からお手伝いできます。
制作会社が分かりません。どこから調べればよいですか
まず、ドメインの公開情報と、サイトが置かれているサーバーから見当をつけます。次に、請求書や振込の記録を探します。毎年または毎月、同じ先に支払いがあれば、それが手がかりになります。会計の記録は、ご本人に聞けない状況でも残っている資料ですので、引き継ぎの場面では有力な手がかりになります。
先代が亡くなり、パスワードが一切分かりません
まず、契約先を特定するところから始めます。特定できたら、その窓口に事情を伝え、会社としての契約であることと、いまの代表者であることを示す書類を出して、権限を戻せるかどうかを相談します。戻せるかどうかも、必要な書類も、契約先ごとに違います。契約の名義や、登録されている連絡先の状況によっては、戻せないこともあります。まず何が要るかを聞くところから始めてください。
期限が近い場合は、その旨もあわせて伝えてください。ただし、伝えたからといって手続きが早まるとは限りません。止まるのを避けられるのは、期限までに更新の処理と支払いまで終わったときです。書類を出した時点ではなく、そこまで終わったかどうかで決まります。
引き継ぎの作業は、どれくらいの期間がかかりますか
入る手段が手元にあって表記を直すだけの場合でも、直す箇所がいくつあるか、画像やPDFの作り直しが要るか、サイトがどう作られているかで変わります。実際の期間は、洗い出しの結果を見てからご案内します。契約先の特定や名義変更が必要な場合は、こちらの作業時間よりも、契約先とのやり取りにかかる日数のほうが長くなります。更新の期限まで日が無い場合は、まず管理画面に入れることを確かめ、サイトの管理画面には新しい管理者を作って実際に入れることを確かめ、サーバーやドメインの管理画面はアカウントを分けて作れる場合に新しいアカウントを作って必要な権限を確かめ、契約先が先行変更を認めているなら、名義変更の手続きより先にお知らせの届き先と支払いの手段を変えることを優先してください。先行変更ができない契約先であれば、名義変更と同時に申し出ることになります。
ドメインは前の会社名のままです。新しい社名のドメインに変えるべきですか
急ぐ話ではありません。ドメインを変えると、名刺・パンフレット・取引先の登録先・検索での見え方が、まとめて影響を受けます。引き継ぎの作業と同時に進めると、確認することが一気に増えます。変えるのであれば、引き継ぎが落ち着いてから、古いドメインを残して転送する形で進めるのが安全です。
登記は変わりましたが、サイトには代表者名を出していません。直すところはありますか
表に代表者名が出ていなくても、確認しておく箇所はあります。お問い合わせフォームの自動返信の署名、検索エンジン向けの会社情報、PDFの会社案内、そして契約の名義と支払いです。表に出ている名前が無い場合でも、契約と入る手段の確認は必要です。むしろ、表記を直す必要がないぶん、契約と入る手段の確認だけが残ります。
前の代表の個人アカウントで作られたものが多いようです
Googleのビジネス情報やアクセス解析は、個人のアカウントに紐づいていることがよくあります。前の代表と連絡が取れるうちに、管理権限を新しいアカウントへ渡してもらうのがいちばん簡単です。
連絡が取れない場合は、サービスごとに扱いが違います。ビジネス情報のように、その事業の関係者であることを示して権限を申し出る手続きが用意されているものもあれば、そうした手続きが無いものもあります。アクセス解析は、いまの管理者から追加してもらえない場合、これまでの記録を引き継げず、新しく計測をやり直すことになる場合があります。それぞれのサービスで、権限を戻す手続きがあるかどうかを個別に確認してください。
引き継いだサイトを、この機会に作り直したほうがよいですか
引き継ぎと作り直しは、分けて考えることをおすすめします。引き継ぎには期限がありますが、作り直しにはありません。まず契約と入る手段を整理して、表記を直す。そのうえで、サイトの中身をどうするかを落ち着いて決める、という順番が安全です。
保守契約に入っていれば、この作業は含まれますか
プランによって含まれる内容が違います。たとえばベーシックプラン 11,000円(税込・月額/最低契約期間3ヶ月)は、対象が「HTMLで作られたサイト・WordPress以外のCMS」で、内容は「月3回程度の更新作業(テキストや写真差し替えなどが主な作業となります。)」です。代表者名の打ち替えのような修正は、この範囲で進められることが多いところです。WordPressで作られたサイトは、WordPress保守プラン(ライト) 5,500円(税込・月額/最低契約期間3ヶ月)などが対象になり、こちらは「テキスト1〜2箇所程度の軽微な修正含みます」という内容です。一方、ドメインの移管やサーバーの移転、ログイン情報の調査といった作業は、月額プランの内容として掲げているものではありません。いまお入りのプランで、どこまでがその範囲に入るかは、お問い合わせいただければ個別にご案内します。
まとめ
事業を引き継いだとき・代表が変わったときにホームページで確かめるのは、契約・入る手段・表に出ている名前の3つです。順番は、契約と入る手段が先、表記は最後になります。表記は日が経っても直せますが、契約と入る手段には期限があり、放っておくと取り返しがつきにくくなるためです。
進めるときは、この3段階で考えてください。それぞれの中身は、本文の「直す順番」に細かく書いています。
- 契約——ドメインとサーバーの契約先・名義・支払い方法・更新期限を確認する。
- 入る手段——各管理画面に入れることを確かめ、入れなければ契約先に相談する。サイトの管理画面は新しい管理者を作り、その管理者で実際に入れることを確かめる。サーバーやドメインの管理画面も、アカウントを分けて作れるなら新しいアカウントを作り、契約情報や請求、パスワードの再発行の受け取りに加えて、メールや向き先の設定の権限が付いていることを確かめる(付いていないものがあれば、そこが解決するまで前のアカウントを残す)。そのうえで、お知らせの届き先と支払いの手段を自社のものに変える(契約先が先行変更を認めていない場合は、名義変更と一緒に申し出る)。名義の変更が必要な契約は、その手続きも済ませる。最後に、これらの変更が実際に反映されたことを確かめたうえで、前の入り口を閉じる。サイトの管理画面は前の管理者の権限を落としてパスワードを変える。サーバーやドメインの管理画面は、アカウントを分けて作れた契約なら前のアカウントの権限を落とし、分けて作れない契約なら、ログインのIDと再発行の受け取り先が自社のものに変わったことを確かめてから、受け取ったパスワードを変える。前の代表あてのメールは、転送するか、しばらく残す。
- 表記——代表者名・社名・住所を洗い出し、画像とPDFに先に着手する。表に見える表記と見えない設定をまとめて直し、フォームから1通送って確かめる。サイトの外の登録先も直し、日を置いて何度か見直す。
そして、前の代表のメールアドレスと、前の管理者アカウントだけは、先に消さないでください。どちらも、消えたことにこちら側がすぐには気づけない種類のものです。連絡が来なかったという事実だけが残り、何が失われたのかは誰の目にも入りません。
blancでは、ホームページの修正・更新を単発でも継続でも承っています。代替わりのご相談は、契約がどうなっているかを調べる段階からお手伝いできます。「何がどこにあるのかが分からない」という状態で構いませんので、引き継ぎが決まった時点でお声がけいただけると、更新の期限に余裕を持たせやすくなります。ご相談とお見積りは無料です。ホームページ修正・更新のご依頼のページに対応できる作業をまとめていますので、あわせてご覧ください。作業ごとの料金は料金表に掲載しています。ご相談はお問い合わせからお願いします。
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