ホームページの相見積もり、どう比べる?|先にそろえる3つと、金額の差が出る理由・依頼までの進め方
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ホームページを作り直そうと決めて、まず取りかかるのが相見積もりです。2社・3社に声をかけて金額を並べる。ところが届いた見積書を横に置いてみると、書き方がそれぞれ違い、そもそも比べられないことに気づきます。1社は「ホームページ制作一式」で1行、もう1社はA4で3枚に分かれている。金額は倍近く違う。どちらが高いのか安いのか、判断がつかない——という状態です。
これは見積書の書き方が悪いのではなく、各社が別々の前提で作っていることがあるからです。ページを5枚と想定した会社と、12枚と想定した会社。文章はお客様が用意すると考えた会社と、自分たちで書くつもりの会社。前提が違えば、金額が違うのは当たり前です。
この記事では、相見積もりを「比べられる状態」にするために先にそろえる3つと、届いた見積書の読み方、金額の差が出る理由、そして依頼を決めるまでの進め方を順にご説明します。金額は税込で、blancの料金ページと、ホームページ制作・リニューアルのページに掲載しているものです。
相見積もりで比べているのは、金額ではありません
相見積もりの目的は、いちばん安い会社を見つけることではありません。同じものを頼んだうえで、金額の差が何から出ているのかを知ることです。同じものを頼んでいなければ、金額の差に「前提の差」が混ざってしまい、会社ごとの料金や提案の違いを正確に比べられません。
相見積もりで迷いが長引くときは、次のような形になっていることがよくあります。
- 安いほうを選んだら、あとで追加になった——見積もりに入っていなかった作業が、進めるうちに出てきた。当初の範囲外だった可能性があります。
- 高いほうが良いのか分からない——金額の差が何に対するものかが書かれていないため、値段の理由を判断できない。
- どちらとも決められず、時間だけが過ぎる——比べる軸がないので、決め手が「感じの良さ」しか残らない。
いずれも、見積書が届いてから起きているように見えますが、依頼するときに条件をそろえていなかったことが原因のひとつです。この記事では、比べやすくするために次の順で整理します。先に自社側の条件をそろえ、同じ内容で各社に渡し、届いた見積書を同じ費目に割り直して読む、という順です。
先にそろえる3つ(この順で決めます)
各社に声をかける前に、自社側で決めておくことが3つあります。
- どのページを作ってもらうか——ページの一覧と枚数。
- 原稿と写真は誰が用意するのか——文章と画像の担当。
- 公開後、自分たちで何を変えたいのか——更新の範囲。
順番はこの順です。理由は2つあります。
- ①が決まらないと、②も③も各社が別々に想定してしまう——ページ数が決まると、原稿の量も、更新の仕組みを入れる範囲も具体化しやすくなります。この3つは、各社の前提をそろえるうえでとくに効きます。ここが曖昧なまま声をかけると、各社が各社の想定で埋めます。
- この3つがそろっていない見積書は、金額の差が「前提の差」なのか「会社の差」なのか区別できない——そのままでは比べにくくなります。差を確かめて補正すれば材料にはなりますが、そのぶん往復が増えます。
逆に言えば、この3つを先にそろえておくと、見積書を比べる土台ができます。以下、ひとつずつ見ていきます。
① どのページを作ってもらうか
ページ数は、金額を大きく動かす要因のひとつです。ところが、このページ数の数え方が会社によって違います。同じ「10ページ」でも、何を1ページと数えているかが違えば、金額はそろいません。
ページ数の数え方は、会社によって違います
数え方が分かれやすいのは、次のようなものです。
- お問い合わせフォーム——入力画面・確認画面・送信完了画面で3ページと数える会社もあれば、フォーム1個としてページ数に含めない会社もあります。blancではフォーム1個をページ数に含めていません。
- お知らせやブログの記事——記事そのものは1枚ずつ増えていくものなので、「一覧ページ」と「記事の表示形式」を作る作業として数え、記事の本数はページ数に入れない会社もあります。ここを1記事1ページで数えると、金額がまったく変わります。
- プライバシーポリシーなどの表示のページ——文章を貼るだけの簡単なページですが、枚数としては1枚です。何を載せておくものかは表示のページの記事にまとめています。
- サービスや商品の一覧と、その個別ページ——一覧1枚のつもりが、商品ごとに個別ページを作る想定になっていることがあります。商品数がそのままページ数になるため、差が出やすいところです。
いまのサイトのメニューを書き出すところから始めます
ページの一覧は、難しく考える必要はありません。いまのホームページのメニュー(ナビゲーション)を上から順に書き出し、そこに「新しく足したいもの」と「もう要らないもの」を書き添えるだけで、十分に使える一覧になります。
作るときの手順は次のとおりです。
- いまのサイトのメニュー項目を、そのままの言葉で書き出します。
- メニューには出ていないけれど残したいページ(採用情報、よくある質問など)を足します。
- 新しく作りたいページを足します。
- 今回は作らないと決めたページに、はっきり「今回は対象外」と書きます。
- それぞれのページに、載せる内容を一言だけ添えます(「会社概要:住所・沿革・代表挨拶」程度で構いません)。
4番目を書いておくのが効きます。「対象外」と書かれていないページは、各社が「たぶん作るのだろう」と考えて見積もりに入れたり、逆に外したりします。書いておけば、その揺れが消えます。
「今回は直すだけ」で足りることもあります
ページの一覧を作ってみると、実際に手を入れたいのは数ページだけだった、ということがあります。その場合は、作り直しではなく修正の作業として見積もったほうが、金額を抑えられることがあります。ただし、古い仕組みの調査や修復が必要な場合は、部分的に直すほうが割高になることもあります。作り直すか直すかの判断の目安は修正で直す?作り直す?の記事に、修正だけで済む場合の相場はホームページ修正の費用相場にまとめています。
ページを足すだけで済むケースについてはページを追加したい場合の記事もあわせてご覧ください。
② 原稿と写真は誰が用意するのか
3つの中で、いちばんすれ違いが起きるのがここです。そして金額よりも、公開時期に効いてきます。
「原稿制作」の行が無いだけでは、担当は分かりません
見積書には「原稿制作」という行があったりなかったりします。行が無い場合、それは「不要だから安い」とは限りません。他の項目に含まれていることも、別途になることも、お客様がご用意される前提になっていることも、今回は不要と判断されていることもあります。どれに当たるのかを、発注する前に確認してください。確認しないまま進めると、デザイン案が上がってきた段階で文章の用意が必要だと分かり、そこで制作が止まることがあります。
確認の仕方は単純で、各社に同じ聞き方をします。
- 文章は誰が書きますか——全ページか、一部か。一部なら、どのページか。
- いまのサイトの文章をそのまま使う想定ですか——流用するのか、書き直すのか。流用でも、量が多ければ移す作業が発生します。
- 写真は誰が用意しますか——手持ちの写真を使うのか、撮影が必要か、有料素材を購入するのか。
写真は「撮影」「加工」「差し替え」で作業が違います
写真まわりは、ひとまとめに「写真」と書かれると比較できません。実際には次の3つが別の作業です。
- 撮影——必要な写真を撮る作業です。現地で撮る場合は、日程の調整や出張の有無も確認します。
- 加工——明るさの調整やトリミング。手持ちの写真をそのまま載せると暗く見える、といった場合に入ります。
- 差し替え——できあがった画像を、ページの所定の位置に入れる作業です。
手持ちの写真を使う場合でも、その写真を自社のホームページに載せてよいかどうかは先に確かめておいてください。以前の制作会社が撮ったもの、素材サイトからダウンロードしたもの、従業員が写っているものは、それぞれ確認することが違います。詳しくは写真の出どころの記事にまとめています。
文章と写真の差し替えを自分たちでどこまでできるかは文章・写真を差し替えたい場合の記事もご覧ください。
③ 公開後、自分たちで何を変えたいのか
3つ目は、公開したあとの話です。ここを決めておかないと、見積書の金額が同じでも、公開後にできることがまったく変わります。
「自分たちで更新できます」の範囲は、会社ごとに違います
同じ「更新できます」でも、指している範囲には幅があります。
- お知らせだけ追加できる——新着情報の投稿だけが管理画面から行える形です。
- 本文の文章も直せる——固定ページの中の文章を、管理画面から書き換えられる形。
- ページごと追加できる——新しいページを自分たちで作って、メニューに載せられる形。
自分たちで変えられる範囲が広いほど、そのための設計や権限の設定が必要になることがあります。ですから「更新できるようにしてください」とだけ伝えると、各社が別々の範囲で見積もります。「どのページの、どの部分を、自分たちで変えたいのか」を具体的に書いて渡すのが確実です。進め方の選択肢は自分で更新できるようにしたい場合の記事にまとめています。
更新を自分たちでやらない、という決め方もあります
更新の仕組みをどこまで入れるか、どこまで編集できるようにするかによって、制作費に差が出ることがあります。一方で、更新の頻度が年に数回であれば、仕組みを入れずにそのつど依頼するほうが総額では収まることもあります。どちらが向いているかは、更新の回数と、社内で操作する人がいるかどうかで決まります。
依頼する形で続ける場合の費用感は更新代行の記事にまとめています。
3つを1枚にして、同じ内容を各社に渡す
①②③が決まったら、それを1枚の紙(またはメール本文)にまとめて、声をかける各社に同じものを渡します。ここまで準備しておくと、そのあとの比較を進めやすくなります。
渡す内容に入れておく6項目
- ページの一覧——枚数と、それぞれに載せる内容の一言。今回は作らないページも「対象外」と明記します。
- 原稿と写真の担当——文章は誰が書くか。写真は誰が用意するか(手持ちの写真・撮影・有料素材のどれを使うか)。
- 公開後に自分たちで変えたい範囲——どのページの、どの部分か。
- いまのサイトの状況——URL、使っている仕組み(WordPressなど)、ドメインとサーバーの契約先。分かる範囲で構いません。
- 希望の公開時期——決まった期日があるなら、その日付と理由(展示会、募集の開始日など)。
- 連絡の取り方——メール中心か、電話も可か。担当者の名前。
4番目が分からない場合は、「分かりません」とそのまま書いてください。伏せるより、調べる作業が要ることを各社が織り込めるほうが、見積もりの精度が上がります。契約先が分からない状態からの調べ方は制作会社と連絡が取れない場合の記事にまとめています。
口頭だけで伝えると、各社の解釈が分かれます
電話で説明して、そのまま見積もりを待つ——これがいちばん比較しにくい形になります。話した内容の受け取り方は人によって違いますし、こちらも各社に同じ説明ができているとは限りません。文字にして同じものを渡すだけで、届く見積書はぐっとそろいます。
体裁は問いません。箇条書きのメール1通で十分です。整った依頼書を作ろうとして時間がかかるほうが、かえって遅くなります。
予算を先に言うかどうか
「予算を言うと、その金額に寄せられるのではないか」と考えて伏せる方もいます。ただ、伏せたまま進めると、各社が想定する規模がばらつき、比較しにくい見積書が届くことがあります。
ひとつの方法は、上限だけを伝える形です。「一定額を超えると社内の決裁が必要になるので、超える場合は分けて提案してください」と伝えておけば、各社が現実的な範囲で組めますし、上限を超える提案が出てきたときも、何を足すと超えるのかが分かります。ただし上限も金額の基準として受け取られますので、上限を伝える場合も、内訳は同じ条件で出してもらってください。
声をかける社数
3社前後が扱いやすい数です。多くすると、比較の作業そのものが重くなります。各社にも見積もりを作る手間がかかりますので、本当に依頼する可能性がある会社にだけ声をかけるのが、結果として早く進みます。
依頼先の選び方そのものについてはどこに頼むかの記事もあわせてご覧ください。
届いた見積書は「一式」を割ってから読む
見積書がそろったら、次は読み方です。金額の欄を先に見たくなりますが、順番としては先に中身を同じ費目に割り直します。
6つの費目に割り直します
ホームページの制作費は、だいたい次の6つに分けられます。各社の見積書を、この6つのどこに当たるかで振り分けていきます。
- ヒアリング・設計——どのページを作り、何を伝えるかを決める作業。
- デザイン——見た目の方向性を決めて、画面を作る作業。
- コーディング——デザインを実際に表示できるページにする作業。
- 原稿・写真——載せる文章と写真を用意する作業。
- 更新の仕組み——公開後に自分たちで直せるようにする作業。
- 公開・移行——ドメイン、サーバー、SSL、いまのサイトからの引き継ぎ。
この分け方はリニューアル費用の記事でも使っているものです。6つに割ると、どの会社の見積書に、どの費目が無いかが一目で分かります。無い費目については、他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要なのかを確認します。
「一式」は比較の単位になりません
「ホームページ制作一式」で1行、という見積書は珍しくありません。これ自体が問題なのではなく、そのままでは他社と比べられないというだけです。次のように聞いて、内訳を確認します。
- この金額に含まれるページは何枚ですか。何を1ページと数えていますか——見積もりの対象になっているページが、こちらの一覧と対応しているかを確認できます。
- 原稿と写真は誰が用意する前提ですか——他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要と判断されているのかで、金額の意味が変わります。
- 公開後に自分たちで直せるのは、どの部分ですか——更新の仕組みが入っているかどうか。
- 公開後にかかる月額・年額の費用はありますか——ドメインとサーバーの維持費、保守の月額、有料サービスの利用料。初年度だけ含まれているものがあるかどうかも聞きます。
内訳を出してもらえない場合、それも判断材料のひとつになります。ただ、聞き方が漠然としていると答えにくいものです。上のように項目を指定して聞くと、相手も具体的に答えやすくなります。
数量と単価が書かれているかを見ます
「デザイン一式」とだけ書かれているものと、「デザイン 下層10ページ分」のように数量が書かれているものとでは、あとで効き方が違います。後者であれば、ページを減らした場合の見積もりを出してもらう相談がしやすくなります。
数量と単価が書かれている見積書は、途中で条件が変わったときに調整しやすいという利点があります。金額の高い安いとは別に、見ておく価値のあるところです。
見積書によく出てくる項目名の読み方
見積書に並ぶ項目名は、会社によって呼び方が違います。同じ作業に別の名前が付いていることも、違う作業に似た名前が付いていることもあります。よく見かけるものを、意味と確認したいことの組で挙げておきます。
進め方に関する項目
- ディレクション費・進行管理費——打ち合わせ、日程の管理、社内外との調整にかかる作業です。この行が無い場合は、無いから安いとは限りません。他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要と判断されているのかを確認します。
- 企画費・構成費・サイトマップ作成——どのページを作り、どういう順で並べるかを決める作業です。ページの一覧をこちらから渡している場合に、この項目の作業量がどう変わるかを聞いてみてください。
- ワイヤーフレーム作成——デザインの前に、各ページのどこに何を置くかを線画で決める作業です。対象のページ数や作り込みの度合いで変わります。
見た目と中身を作る項目
- デザイン費(トップページ/下層ページ)——トップと下層で単価が分かれていることがあります。下層が「1ページあたり」で書かれていれば、ページを増減したときの相談がしやすくなります。
- コーディング費——デザインを実際に表示できるページにする作業です。ここもページ単位で書かれていると比較しやすくなります。
- レスポンシブ対応費・スマホ対応費——独立した行になっていれば、その金額でスマホ対応まで行う見積もりです。記載が無い場合は、他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要と判断されているのかを確認します。
- ライティング費・原稿作成費——文章を書く作業です。この行が無い場合は、他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要と判断されているのかを確認したうえで、誰が用意するのかを決めます。
- 撮影費・素材費——撮影は現地での作業、素材費は有料の写真やイラストを購入する費用です。別のものですので、両方あるか、どちらかだけかを見ます。
仕組みと公開に関する項目
- CMS構築費・WordPress構築費——CMSを導入して組み立てる作業です。この行があっても、自社で編集できるとは限りません。編集できるのか、できる場合はどの範囲を、どの権限で触れるのかを確認してください。
- サーバー設定費・ドメイン取得代行——契約や設定の代行です。サーバーやドメインの維持費そのものは、別契約になることも、制作費や保守費に含まれることもあります。更新のたびにいくらかかるのかを聞いておきます。
- SSL設定費——ブラウザとサーバーの間の通信を暗号化するための設定です。サーバー会社が無料で提供しているものを使う場合と、有料の証明書を購入する場合があります。どちらかを確認します。
- テスト・検証費——公開前に表示や動作を確認する作業です。独立した行になっていることも、他の項目に含まれていることもあります。記載が無ければ、他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要と判断されているのかを確認します。
- 公開作業費・データ移行費——いまのサイトから新しいサイトへ切り替える作業です。ここに古いURLの転送が含まれるかどうかを見てください。
金額以外に書かれていることを見ます
見積書の下のほうや備考欄に、条件が書かれていることがあります。読み飛ばされやすいのですが、あとで効くのはむしろこちらです。
- 修正の回数——デザイン案を何回まで直せるか。上限がある場合、超えた分は別料金になることがあります。
- 有効期限——この金額がいつまで有効か。
- 支払いの条件——着手時か、完了時か、分割か。
- 納品物——何を渡してもらえるか。データ一式を受け取れるかどうかは、あとで引き継ぐときに効きます。
- 別途費用となるもの——ここに書かれているものが、いちばん見落としやすい追加費用です。
項目名が分からないときは、遠慮なく聞いてください。説明の分かりやすさや、質問への答え方も、依頼先を選ぶときの判断材料のひとつになります。
作業の範囲で金額の差が出る理由は、この5つです
条件をそろえて依頼しても、見積書の金額はそろいません。むしろ、そろっていないほうが普通です。作業の範囲から差が出るときに、主に見ておきたいのは次の5つです。なお、範囲が同じでも、会社ごとの単価、担当する人数や体制、進め方の違いによって金額は変わります。
1. 含まれている範囲が違う
差が出る理由のひとつです。原稿制作、写真撮影、更新の仕組み、公開後の一定期間の対応。これらが入っているかどうかで、金額は大きく動きます。6つの費目に割り直したときの空欄は、差の理由をたどる手がかりになります。
2. ページ数の数え方が違う
前述のとおり、フォームや記事の数え方は会社によって違います。同じ「10ページ」でも中身が違えば、金額は比べられません。各社の見積書の対象ページが、こちらが渡した一覧と対応しているか、何を1ページと数えているかを確認してください。
3. デザインの作り方が違う
ページごとに個別にデザインを作るのか、共通のレイアウトを1つ作って各ページに当てはめるのか。後者は、ページ数や作り方によっては作業を抑えられることがあります。テンプレートを使う場合も同じです。どちらが良いという話ではなく、費用の出方が違うということです。
デザイン案を何回まで直せるか、という条件もここに含まれます。回数に上限がある場合と、納得できるまで直す場合とでは、見込んでいる作業量が違います。
4. 原稿と写真の担当が違う
②で確認したところです。文章を書く作業と写真を撮る作業は、ページ数と同じくらい金額に効きます。こちらで用意する前提の見積もりは、そのぶん安くなることがあります。ただし、一式や定額で出している場合は、自社で用意しても金額が変わらないこともあります。安いこと自体は問題ではなく、用意できる体制が社内にあるかどうかで判断してください。
5. 公開後の費用が別か、込みか
制作費だけを見て決めると、公開してから毎月・毎年かかる分を見落とします。ここに入るのは次のようなものです。
- ドメインの維持費——契約先と契約期間に応じて、更新のたびにかかります。
- サーバーの利用料——月額または年額。
- 保守・管理の月額——更新作業やトラブル対応などを依頼する契約。含まれる作業は契約ごとに違いますので、内容を確認します。
- 有料の機能やサービスの利用料——予約システム、カート、更新料や継続利用料がかかる有償テーマなど。買い切りのものもありますので、継続してかかるかどうかを確認します。
制作費が安くても、毎月の費用が高ければ、数年分で比べたときに総額が逆転することがあります。逆に、制作費に含まれているように見えて、実は初年度だけということもあります。「1年目の総額」と「2年目以降の年額」の2つを、各社について出してみると、比較しやすくなります。
安い見積もり・高い見積もりの読み方
金額に差があったとき、確認することは安い側と高い側で違います。どちらが正しいという話ではありません。
安い側で確認すること
- 含まれていない費目はどれか——6つの費目に空欄があれば、他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要なのかを聞きます。
- ページ数がこちらの一覧と対応しているか——枚数だけでなく、何を1ページと数えたかもあわせて確認します。
- 追加料金が発生する条件——どこから追加になるのかを、作業単位で確認します。
- 公開後にかかる費用——月額や年額が別にあるかどうか。
確認して「含まれていないだけだった」と分かれば、金額差の理由がはっきりします。必要な作業をそろえて出し直してもらえば、比較できる形になります。
高い側で確認すること
- 何が差額の理由になっているのか——他社に無い費目、または同じ費目で金額が大きい行を特定します。他社より多く含んでいる作業がある場合もあります。
- その作業が自社に必要か——必要な作業を多く含んでいるための差なのかを確認します。要らなければ外せるかを聞きます。
- 減らせる部分はどこか——減らせる部分の例は、ページ数、更新の範囲、原稿や写真を用意する担当です。
値引きを頼む前に、条件を戻します
金額を下げたいときに「もう少し安くなりませんか」とだけ伝えると、何がどう変わったのかが分からないまま金額だけが動くことがあります。値引きに応じてもらえた場合は、作業の範囲が変わっていないかを確認してください。範囲を変える形での調整であれば、何を外したのかを文字で残しておきます。
下げたいときは、条件のほうを動かします。
- 今回作るページを減らす(残りは公開後に追加する)。
- 原稿を自社で用意する。
- 更新の仕組みを入れる範囲を狭める。
- 撮影をやめて、手持ちの写真を使う。
この4つのどれを動かすかを決めてから、「この条件だといくらになりますか」と聞きます。金額の理由がはっきりしたまま下がりますので、あとで揉める可能性を下げられます。
金額表に出てこない、あとで効く4つ
見積書に金額としては現れないものの、公開してから効いてくる項目があります。相見積もりの段階で聞いておくと、あとの手間が変わります。
1. ドメインとサーバーは誰の名義になるのか
制作会社がドメインを取得して、そのまま制作会社の名義で契約が続く形があります。作っている間は何も困りません。困るのは、依頼先を変えたくなったときと、連絡が取れなくなったときです。名義が自社でない場合や、契約の管理アカウントや移管に必要な認証情報を自社で管理できない場合は、手続きを自社だけで進められないことがあります。
聞くことは3つです。
- ドメインの名義は誰になりますか——自社名義にできるかどうか。
- サーバーの契約は誰の名義になりますか——自社で契約するのか、制作会社の契約に相乗りするのか。
- 自社用の管理アカウントを発行してもらえますか——公開後に、権限とパスワードの再発行を自社で管理できるかどうか。共用のIDとパスワードを受け取る形ではなく、自社のアカウントを分けて作ってもらう形が安全です。
相乗りの形が悪いわけではありません。管理をまとめて任せられる利点もあります。ただ、そうなっていることを知ったうえで選ぶのと、あとで知るのとでは大きく違います。名義の確認方法と自社名義にする進め方はドメインが制作会社名義になっている場合の記事にまとめています。
2. 公開後、誰が直すのか
公開した日がゴールではありません。むしろ、そこから先のほうが長く続きます。
- 軽微な修正をどこまで見てもらえるか——文字の直し1か所を、そのつど依頼するのか、月額に含まれるのか。
- WordPressを使う場合、本体やプラグインの更新は誰がするのか——放置すると動かなくなることがあります。
- 不具合が出たときの連絡先——制作した担当者に直接届くのか、窓口を経由するのか。
保守契約で何が行われるのかは保守・管理契約の記事にまとめています。制作費が安くても、公開後に頼れる先がないと、結局その分の費用と時間がかかります。
3. あとで引き継げる作りかどうか
数年後に別の会社へ引き継ぐ場面は、思っているより普通に訪れます。担当者が代わる、会社を継ぐ、制作会社が廃業する。そのときに引き継げるかどうかは、作り方でかなり変わります。
- 広く使われている仕組みで作られているか——WordPressのように扱える人が多いものか、その会社の独自の仕組みか。
- データを取り出せるか——ファイル一式とデータベースを渡してもらえるか。
- 独自の仕組みが使われている場合、その説明を受けられるか——引き継ぎ先に渡せる資料があるか。
独自の仕組みが悪いということではありません。ただ、データの取り出し方や、引き継ぎ先に渡せる資料がそろっているかによって、引き継ぎに手間がかかる場合があります。そこを先に聞いておいてください。実際に引き継ぐ場面で何を確かめるかは事業を引き継いだ場合の記事に、管理画面に入れなくなったときの調べ方は管理画面に入れない場合の記事にまとめています。
4. 連絡の取りやすさ
数字にならない項目ですが、実際にはここで差がつきます。見積もりのやり取りの段階で、次のようなことは見えています。
- 返事が返ってくるまでの時間——返答にどのくらいかかるか。通常の連絡の目安を聞いておきます。
- 質問への答え方——聞いたことに答えているか、話がずれるか。
- 専門用語の説明があるか——分からないまま進めることになると、判断のたびに止まります。
相見積もりは金額を比べる作業ですが、同時にやり取りの相性を見る機会でもあります。ここを軽く見て金額だけで決めると、公開までの数か月がずっと重くなります。
比較表の作り方
ここまでで材料はそろいました。最後に、自社用の比較表を作ります。凝ったものは要りません。
縦に費目、横に会社を並べます
紙でも表計算ソフトでも構いません。縦に次の項目を並べ、横に各社を置きます。
- 制作費の総額
- 対象ページの一覧と枚数(各社の見積書に書かれている数と、その数え方。こちらが渡した一覧と対応させて書きます)
- ヒアリング・設計
- デザイン
- コーディング
- 原稿・写真(誰が用意するか)
- 更新の仕組み(どこまで自分で変えられるか)
- 公開・移行
- 公開後の月額・年額
- ドメインとサーバーの名義
- 各工程にかかる期間と、公開までの見通し
- 1年目の総額
- 2年目以降の年額
「分からない」を空欄にしません
比較表を作っていると、埋まらない欄が出てきます。ここでやってはいけないのが、空欄のままにすることです。空欄は、見ているうちに「無い」と読めてしまいます。実際には「聞いていない」だけかもしれません。
埋まらない欄には「未確認」と書いてください。そのうえで、未確認の欄が多い会社には、まとめて質問します。この作業をすると、判断に必要な情報のうち、まだ確認していないものが見えてきます。
それでも決められないときは
表が埋まっても決め手がない、ということはあります。そのときは、次の順で見てください。
- 1年目の総額ではなく、3年分の合計で並べ直す——制作費と月額の関係が逆転することがあります。
- いちばん困りそうな場面を思い浮かべる——「公開直前に文章が用意できていない」「公開後にフォームが動かない」。そのときに動いてくれそうなのはどこか。
- 減らせる条件で出し直してもらう——上限を超えているなら、条件を動かした版をもらいます。
それでも評価が並ぶようなら、契約の条件、納品してもらえるもの、保守の範囲をもう一度確認してください。そこにも差が無ければ、やり取りのしやすさを判断材料にして構いません。
blancの場合の料金
比較のときに使っていただけるよう、blancの金額を掲載しているとおりに載せておきます。すべて税込です。
ホームページ制作・リニューアル
この金額に含まれる内容として、ホームページ制作・リニューアルのページには次のように記載しています。
- 問い合わせフォーム——一般的な問い合わせフォーム1個設置。ページ数含みません。
- デザイン——ヒアリングを元にお伝え頂いた色味や雰囲気でWEBデザイナーがホームページデザイン案を作成します。デザイン案の修正や変更はご納得頂けるまで行います。
- スマホ対応——スマホ対応(レスポンシブ)を行います。
- 常時SSL対応——サーバー会社提供の無料SSLを使用します。ドメイン認証や企業認証については別途ご相談。
- 基本的なSEO対策——Googleの仕様に沿ったコーディングでご希望のキーワードで上位表示のお手伝い。さらに検索上位表示をご希望の場合はSEO対策を併せてご検討下さい。
掲載している工程ごとの期間
日数を示しているのは2か所です。打合せ完了後、約1週間でデザイン案を提示。そのあとのコーディング期間が約2週間から3週間です。これは工程ごとの期間で、公開までの総期間ではありません。要件の確認やお見積り、原稿と写真の準備、デザイン案の修正にかかる期間は、この日数には含まれていません。
公開後の月額プラン
いずれも最低契約期間は3ヶ月です。年間払いにすると1ヶ月分が無料になります。各プランに含まれる作業の一覧は料金ページに掲載しています。
なお、blancでホームページ制作を行った場合、blancサポート・ベーシック(通常 月額11,000円(税込))が月額5,500円(税込)になります。弊社でホームページ制作を行って頂いた方のみが対象です。
作り直さず、必要なところだけ直す場合
Wix・Jimdo等のホームページ作成サービスで作られたサイトは、編集制約のため作業時間が増えますので、HTML関連の作業料金は上記の1.5倍となります。価格表に無いものについては別途お見積もりとなります。
ご依頼前のご相談とお見積りは無料です。
依頼先を決めたら、着手前に文字で残します
依頼先が決まったら、着手の前にもう一度だけ確認しておくと、あとの行き違いを減らせます。ここで確認するのは、見積書の金額ではなく前提のほうです。
着手前に文字で残す5つ
- 作るページの一覧——最終的に何を作るのか。途中で足したページがあれば、それも含めた一覧に更新します。
- 原稿と写真の担当と、渡す期限——自社で用意する分がいつまでに必要か。ここが遅れると全体が止まります。
- 公開後に自分たちで変えられる範囲——どのページの、どの部分か。
- ドメインとサーバーの名義——誰の名義で契約するか。
- 追加費用が発生する条件——どこから追加になるのか。
必要な書面や手続きは会社によって違いますので、そちらに従ってください。そのうえで、双方が同じ文面を見ている状態を作っておくのが目的です。メールの箇条書きに先方から了承の返信をもらう形でも、注文書を交わす形でも構いません。
支払いの条件も先に確認します
着手前に全額なのか、着手金と完了時の分割なのか、公開後なのか。会社によって違います。blancの場合は、お見積りの金額でよろしければご発注時に制作料金をお支払いいただく形で、お支払い方法は銀行振込またはPayPalによるクレジットカード払いからお選びいただけます。
金額そのものと同じくらい、いつ支払うかは社内の都合に関わります。決裁のタイミングが決まっている場合は、見積もりの段階で伝えておいてください。
お断りするとき
依頼先を1社に絞る場合は、依頼しない会社が出ます。ここを気まずく感じて連絡しないまま終える方は多いのですが、ひとこと伝えるだけで済みます。
断り方
理由を詳しく説明する必要はありません。次の3つが入っていれば十分です。
- 見積もりへのお礼——時間をかけて作られたものです。
- 今回は他社に依頼することになった、という結論——曖昧にせず、はっきり伝えます。
- ひとことの理由——「予算の都合で」「社内で検討した結果」で構いません。
金額が理由だった場合、正直に伝えると再提案が来ることがあります。それを受けるかどうかは自由ですが、他社の見積金額をそのまま伝えて対抗させるのは避けたほうが良いと考えています。金額だけの勝負になり、条件の話に戻れなくなるためです。
提案されたデザイン案や資料の扱い
会社によっては、見積もりの段階で簡単なデザイン案や構成案を出してくれることがあります。これらは先方が時間をかけて作ったものですから、断った会社の案を、依頼する会社に渡して同じものを作らせるのは避けてください。トラブルのもとになります。
扱いの条件は会社ごとに違います。提案を受ける前に「この案は、依頼しなかった場合どういう扱いになりますか」と一度聞いておくと、お互いに気持ちよく進みます。blancの料金ページにはデザインカンプ作成の料金項目があり、有償で作成する場合の金額を掲載しています。
断ったあとに、また相談してもよいものか
相談すること自体はできます。今回は条件が合わなかっただけで、次の機会に合うこともあります。ただし、再度の相談を受けられるか、相談や提案が有料になるかは会社ごとに違いますので、そのつど確認してください。実際、リニューアルは見送って修正だけ依頼する、という形に落ち着くこともあります。その場合の費用感は前掲の修正費用の記事をご覧ください。
よくある行き違い5つ
相見積もりのあとで「聞いていなかった」となりやすいものを挙げます。いずれも、見積もりの段階でひとこと確認すれば防げるものです。
1. いまのサイトのURLが変わることを知らなかった
作り直すと、ページの住所(URL)が変わることがあります。トップページを含めてURLを維持するのか、変更するのかは制作の方針によりますので、そのまま残る前提で考えないでください。古いURLを残さず、転送も設定しなければ、検索結果に出ていた古いURLや、他社サイトから貼られていたリンクから開けなくなることがあります。
防ぐには、URLが変わるページについて、古いURLから新しいURLへの転送を設定する作業が要ります。転送をどこに設定するかは、ドメインごと変えるのか、同じドメインの中でURLだけ変えるのかによって違います。同じドメインの中でURLだけ変える場合は、切り替え後のサーバー側で設定できます。ドメインごと変える場合は、旧ドメインの契約を続けたうえで、旧URLへの通信を受けるサーバーで転送を設定し、そこへ向くようDNSも合わせておく必要があります。旧URLがhttpsで公開されていた場合は、旧ドメインで使えるSSL証明書も用意しておかないと、転送にたどり着く前に警告やエラーになります。誰が設定できるのかもあわせて確認してください。見積書にこの行があるかどうかを見て、無ければ他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要と判断されているのかを聞きます。仕組みはリダイレクト設定の記事に、公開後に検索から消えたように見えるときの確かめ方は検索しても出てこない場合の記事にまとめています。
2. サーバーを移すかどうかが決まっていなかった
いまのサーバーをそのまま使うのか、新しいサーバーに移すのか。ここが各社で違うと、金額の差の一部はこれです。移す場合は移転の作業が入りますし、メールを同じサーバーで使っている場合は、メールをどうするかを別に決める必要があります。選択肢は3つで、ホームページと一緒に新しいサーバーへ移す、メールだけ別のサービスへ移す、いまのサーバーに置いたままにする、のいずれかです。置いたままにする場合は、いまのサーバーの契約を続けることが必要です。あわせて、いま使っているメール用のDNS設定(MXなど)を確認してください。メールの提供先を変えない場合は、切り替え後に使うDNS側へ同じ設定を引き継ぎます。別のサービスへ移す場合は、移す先が指定する値に変更します。設定を変えるときは、いま利用している事業者に確認してから進めてください。いずれの場合も、アカウントと過去のメールをどう扱うか、DNSをどう切り替えるかまで決めておかないと、切り替えの日にメールが止まることがあります。
サーバーを移す場合の進め方とメールの注意点はサーバーを引っ越したい場合の記事にまとめています。見積書に「サーバー移転」の行があるかどうかを見て、無ければ他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要と判断されているのかを確認してください。
3. 公開の期日が、素材の準備を含んでいなかった
「1か月で公開できます」と言われて安心していたら、その1か月は原稿と写真がそろってからの1か月だった、という形です。制作期間をどこから数えるかは会社によって違います。契約した日からのこともあれば、打ち合わせが終わった時点、素材を受け取った時点のこともあります。何がそろった時点から数えた日数なのかを確認してください。
期日が決まっている場合は、「素材をいつまでに渡せば、その日に間に合いますか」と逆から聞いてください。締切から逆算した日付が返ってくれば、社内の段取りが立てられます。
4. スマホでの見え方が、あとから追加になった
スマートフォンから閲覧される場面も多いため、スマホ対応が含まれていることが多くなっています。ただ、古い作りのサイトを部分的に直す形の提案では、スマホ対応が別の作業として外れていることがあります。
見積書にスマホ対応の記載が無ければ、他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要と判断されているのかを聞いてください。選択肢と費用の考え方はスマホ対応していない場合の記事にまとめています。
5. 公開したのに、問い合わせが増えなかった
これは見積もりの行き違いというより、期待の置きどころの話です。作り直すと見た目は良くなりますが、それだけで問い合わせが増えるとは限りません。増えるかどうかは、どんな人に、どうやって見つけてもらうかに加えて、載せている内容や、問い合わせにたどり着くまでの導線にも左右されます。
見積もりの段階で「公開したら問い合わせは増えますか」と聞いて、はっきり増えると答える会社があれば、その根拠を聞いてください。原因の切り分け方は問い合わせが来ない場合の記事にまとめています。
相見積もりを取らないほうが早い場合もあります
ここまで相見積もりの進め方を書いてきましたが、いつでも取るべきものではありません。次のような場合は、1社に相談したほうが早く済みます。
作業が小さいとき
文章を数か所直したい、写真を1枚差し替えたい、といった作業です。金額そのものが小さいので、3社に声をかけて比べる手間のほうが大きくなります。ホームページ修正・更新のページのように、作業ごとの料金を出している会社に直接聞くのが早いです。
急いでいるとき
サイトが表示されない、フォームが動かない、といった止まっている状態です。見積もりを比べている間、止まったままになります。この場合は、対応の可否を早く確認できる先へまず連絡するほうが、結果として損が小さくなります。そこで対応が難しいと分かったら、速やかに別の候補にも当たってください。
いま頼んでいる会社と続けるかを決めたいだけのとき
他社の金額を知りたいだけであれば、相見積もりを取るより、いまの会社に作業の内訳を出してもらうほうが早いことがあります。内訳を見て納得できれば、それで終わりです。納得できない部分がはっきりしてから他社に聞いても遅くありません。
統合や閉鎖など、先に決めることがあるとき
ホームページが2つあってどちらを残すか決まっていない、あるいは閉じることも含めて検討している、という段階では、見積もりを取っても各社が別々の前提で出してきます。2つのサイトをまとめたい場合の記事やホームページを閉じたい場合の記事で方針を決めてから声をかけるほうが、比較できる見積もりが届きます。
見積書を受け取ってから、決めるまで
見積書がそろってから発注までの期間は、思っているより延びやすいところです。社内の都合もありますし、比べているうちに条件を変えたくなることもあります。
見積書の有効期限を確認します
見積書には「有効期限」や「発行日から何日間」といった記載があることがあります。期限を過ぎると、同じ金額で出し直せるとは限りません。サーバーやドメイン、有償のテーマなど、外部の費用が含まれている場合はとくにそうです。
比較に時間がかかりそうであれば、その旨を先に伝えておいてください。「社内の決裁が来月になります」と伝えたうえで、期限を延ばせるか、期限を過ぎた場合は出し直しになるかを聞いておいてください。
社内で説明するときは、金額ではなく条件を出す
決裁を取るとき、見積書をそのまま回すと「なぜこの会社なのか」で止まります。前に作った比較表を一緒に出すと、説明がずいぶん楽になります。とくに効くのは次の3つです。
- 1年目の総額と、2年目以降の年額——制作費だけで比べると、あとで説明のやり直しになります。
- 各社で違っていた条件——ページ数、原稿の担当、更新の範囲。金額差の理由がここにあることを示します。
- 選ばなかった理由——安いほうを選ばなかった場合は、何が含まれていなかったのかを1行で書きます。
決めるまでの目安
見積もりの作成にどのくらいかかるかは、調べる範囲や提案の内容によって変わりますので、声をかけるときに各社へ聞いておいてください。社内の決裁に必要な期間も、あわせて確認しておきます。
公開したい日が決まっている場合は、その日から逆算してください。ただし、掲載されている日数は工程ごとのものですので、それだけで公開日は決まりません。見積もりの比較にかかる期間、素材を準備する期間、デザイン案を確認して直す期間まで含めて、依頼先と一緒に日程を引いてください。
ここまでの流れを、順番にまとめます
やることを時系列に並べると、次のようになります。
- ページの一覧を作る——いまのメニューを書き出し、足すもの・やめるもの・今回は対象外のものを書きます。
- 原稿と写真の担当を決める——自社で用意できる範囲を先に決めます。
- 公開後に自分たちで変えたい範囲を決める——どのページの、どの部分か。
- 3つを1枚にまとめる——サイトの状況、希望時期、連絡方法も添えます。
- 同じ内容を各社に渡す——3社前後。文字で渡します。
- 届いた見積書を6つの費目に割り直す——空欄になった費目を確認します。
- 不明な点をまとめて質問する——項目を指定して聞きます。
- 比較表を作る——1年目の総額と2年目以降の年額まで入れます。
- 条件を動かして出し直してもらう——予算を超えている場合。
- 決めて、着手前に前提を文字で残す——お断りする会社にも連絡します。
1から4までが自社の作業、5から10が各社とのやり取りです。時間がかかるように見えて、1から4を先に済ませたほうが全体としては早く終わります。ここを飛ばすと、6から9を何度も往復することになるためです。
よくあるご質問
相見積もりを取ることを、各社に伝えるべきですか
伝えて差し支えありません。条件をそろえた見積もりを出してもらうためにも、相見積もりであることは伝えておいて構いません。伝えるときは「何社かにご相談しています」で十分で、社名まで言う必要はありません。
1社だけに頼む場合、何を確認すればよいですか
この記事でご説明した確認事項は、1社に頼む場合でもそのまま使えます。とくに、6つの費目に割り直して、空欄がある場合は他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要と判断されているのかを確かめること、1年目の総額と2年目以降の年額を出してもらうこと、ドメインとサーバーの名義を確認することの3つは、比較相手がいなくても効きます。
いまお願いしている会社にも声をかけてよいものですか
差し支えありません。いまのサイトの状況をいちばん把握しているのはその会社ですので、正確な見積もりが出てきやすいという利点もあります。ただ、他社の見積書をそのまま見せて対抗させるのは避けてください。金額だけの話になり、条件の比較に戻れなくなります。
金額がまったく違う2社のうち、安いほうを選んで大丈夫でしょうか
安いこと自体は問題ではありません。確認すべきは、差が「含まれていない」から出ているのか、「作り方が違う」から出ているのかです。6つの費目に割り直して空欄があれば、それが他の項目に含まれているのか、別途になるのか、自社の担当なのか、今回は不要なのかを聞き、必要な分を足した総額で比べ直してください。空欄が解消したうえで、作業の範囲と契約の条件にも納得できるのであれば、金額が安いことはそのまま選ぶ理由になります。
見積もりだけ取って、結局やらないことになっても構いませんか
見積もりを見て「今回は見送る」という判断になることは普通にあります。ただし、見積もりや提案が有料になる場合や、辞退のときの条件が決められている場合もありますので、依頼する前に確認しておいてください。見送る場合も、ひとことご連絡いただけると先方は助かります。見送ったあとに、必要なところだけ直す形に切り替わることもよくあります。
ホームページの調子が悪いのですが、直すのと作り直すのと、どちらの見積もりを取ればよいですか
症状と、どうしたいかを伝えてください。修正で足りるのか作り直しになるのかを自社で判断できない場合は、修正の案と作り直しの案を分けて出してもらうと比べられます。判断の目安はホームページの健康診断の記事でも触れていますが、症状がはっきりしている場合は修正の見積もりから取るほうが早いことが多いです。
まとめ
相見積もりで比べているのは、金額ではなく同じものを頼んだかどうかです。押さえておきたいのは次の3つです。
- 先にそろえるのは3つ——どのページを作ってもらうか、原稿と写真は誰が用意するか、公開後に自分たちで何を変えたいか。この順で決めて、同じ内容を各社に文字で渡します。
- 届いた見積書は6つの費目に割り直してから読む——ヒアリング・設計/デザイン/コーディング/原稿・写真/更新の仕組み/公開・移行。空欄は、金額差の理由をたどる手がかりになります。
- 金額は「1年目の総額」と「2年目以降の年額」の2つで見る——制作費だけで比べると、ドメイン・サーバーの維持費や保守の月額を含めた数年分で、総額が逆転することがあります。
そして、金額表に出てこない4つ——ドメインとサーバーの名義、公開後に誰が直すのか、あとで引き継げる作りか、連絡の取りやすさ——は、見積もりの段階で聞いておくと、公開してからの数年がずいぶん違います。
blancでは、他社が制作したサイトのご相談も承っています。相見積もりの1社としてお声がけいただく形でも構いません。ご依頼前のご相談とお見積りは無料です。お問い合わせから、いまのホームページのURLと、やりたいことをそのままお聞かせください。
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