ホームページのサーバーを引っ越したい|移転の進め方とメールの注意点・費用の目安
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「サーバーの料金が上がった」「今のサーバーが古くて対応してもらえない」「制作会社に任せきりでどこにあるのか分からない」——こうした理由でサーバーの引っ越しを検討する場面があります。
ただ、いざ調べてみると「データを移すだけ」と書いてあるものから「メールが全部消える」と書いてあるものまであって、何がどこまで起きるのかが読み取りにくいと思います。
この記事では、サーバー移転で何を確認する必要があり、どこでつまずきやすいのかを、費用の目安と一緒に整理します。先に要点を書くと、注意が要るのはホームページ本体よりも、メールと、切り替えるタイミングです。
サーバー移転を検討するきっかけ
ご相談をいただく理由には、次のようなものがあります。
- 費用を下げたい——長く同じサーバーを使っていて、今の相場と比べると割高になっている
- 今のサーバーで必要なことができない——無料SSLに対応していない、PHPの新しいバージョンが選べない、といった制約がある
- 管理している人と連絡が取れない——契約者が前の制作会社のままで、こちらから触れない
- サービス自体が終わる——提供終了の案内が来て、期限までに移らないといけない
このうち3つ目は、移転そのものより先に「誰の名義で契約されているか」を確かめる必要があります。詳しくは制作会社と連絡が取れない|放置状態のホームページを立て直す手順と費用の目安にまとめています。
サーバー移転で、分けて確認するもの
ひとことで「サーバー移転」と言いますが、中身は別々に確認する必要があるものに分かれています。まとめて動くわけではありません。
「ドメインも一緒に引っ越さないといけない」と思われがちですが、ドメインの契約先は変えずに、ホームページの置き場所だけを変えることもできます。ただしこれは、今のDNS設定を自分たちで変更できる(または管理会社に頼める)ことが前提です。前の制作会社と連絡が取れない場合は、まずここが確保できるかを確認します。
混同しやすいのがDNSの設定
DNSの設定は「ホームページの行き先」だけを決めているわけではありません。ホームページ用の設定と、メール用の設定は別々にあります。
そのため、ネームサーバーごと新しい会社へ切り替えると、それまで入っていたメール用の設定が引き継がれず、ホームページは表示されるのにメールだけ止まるということが起こり得ます。ネームサーバーそのものの説明はネームサーバーとは?ドメインとIPアドレスをつなぐ仕組みをやさしく解説をご覧ください。
切り替えの方法は、大きく2通りあります。
- 今のDNS設定はそのままで、ホームページ用の設定だけを書き換える——メール用の設定に触らないので、影響範囲が小さい
- ネームサーバーごと新しい会社へ移す——このときは、メールやサブドメインなど既存の設定を移し忘れていないかを一つずつ確認する
事前の確認が要るのはメール
メールソフトに見えていても、手元に保存されているとは限らない
新しいサーバーで同じメールアドレスを作り直すことはできます。ただし、これまで受け取ったメールの中身まで自動で移るとは限りません。サーバーの組み合わせによっては移せる場合もありますが、その場合も別の作業になります。
ここで注意したいのが、メールソフトに過去のメールが表示されていても、パソコンの中に保存されているとは限らないことです。受信の方式には主にPOPとIMAPがあり、IMAPはサーバー上のメールを表示しているだけなので、サーバーが無くなれば見えなくなります。
移転の前に、各アドレスがPOP・IMAP・ブラウザのWebメールのどれで使われているかを確認し、必要なメールは書き出し(エクスポート)かバックアップを取っておきます。
あわせて、新しいサーバーでアドレスを作ったあとには、使っている方それぞれの端末で設定を入れ直し、実際に送受信のテストをするところまでが作業に入ります。アドレスの数が多い会社ほどここが重くなるので、誰がどのアドレスを、どの方法で読んでいるかを先に一覧にしておくと当日がはっきりします。
切り替え中に届いたメールをどう取りこぼさないか
切り替えの前後には、新旧どちらのサーバーにメールが届くかが送信元によって分かれる時間帯ができます。
ここで気をつけたいのは、同じメールが新旧の両方に届くわけではないということです。旧サーバーへ届いたものは旧サーバーにしかありません。新しいほうだけを見ていると、その分を見落とします。
そのため、旧サーバーの契約をすぐに解約せず、新旧どちらの受信箱も個別に確認できる状態で残しておくのが基本になります。解約を急ぐほど、この余白が無くなります。
なお、フォームからのメールが届かない場合は、移転とは別の原因のこともあります。切り分けはお問い合わせフォームのメールが届かない|気づけない原因と確認の手順をご覧ください。
切り替えの流れ
実際の進め方は、おおまかに次の順番です。
- 契約情報・管理権限・DNS設定・メールアドレスの一覧を確認する
- ホームページのファイルとデータベースのバックアップを取る
- 新しいサーバーへ置き、公開する前にページ表示・管理画面・フォーム・ログイン・メール送信などが動くか試す
- 新しいメールアドレスを作り、各自の端末設定と送受信をテストする
- 切り替えの直前は更新をいったん止めるか、直前の変更分をもう一度移し直す
- ホームページ用・メール用のDNS設定を、決めた計画どおりに切り替える
- 新旧どちらのアクセス・問い合わせ・受信メールも監視する
- 旧サーバーへ新しいアクセスやメールが来なくなり、動作とバックアップを確認してから解約する
3番と5番が、飛ばされやすいところです。
3番は、公開する前に新しい場所で確認できるという点が大きいところです。ただし「表示された」だけでは足りません。フォームの送信、管理画面へのログイン、画像のアップロードなど、実際に使う操作まで試しておきます。
5番は見落としやすい割に影響が大きい手順です。最初にデータをコピーしてから切り替えるまでの間に、問い合わせや注文、記事の更新が旧サーバー側に増えていることがあります。最初のコピーだけで切り替えると、その分が消えます。
切り替わるまでの時間について
DNSの設定を変えたあともしばらくは、見る人の環境によって古い設定の情報が残っていることがあります。そのため、新しいサーバーを見る人と、古いサーバーを見る人が一時的に混在します。
この状態は環境ごとに解消の早さが違うため、「何時から何分間止まります」と正確に約束することはできません。代わりに、旧サーバーをすぐ止めずに残しておくことでカバーします。今どちらを向いているかを確かめる方法はホームページ引っ越しの強い味方:DNS浸透状況を見える化する方法で紹介しています。
SSL(保護されていない通信の表示)の扱い
新しいサーバーでは、可能な範囲で切り替える前にHTTPSで表示できる状態を用意しておきます。証明書の発行にDNSの切り替えが必要な場合は、切り替えた直後に証明書を設定し、httpからhttpsへの転送、ページの中に残っているhttpの読み込み(混在コンテンツ)、主要ページとフォームの動作までを確認します。
今「保護されていない通信」と表示される状態のままで、移転先が無料SSLに対応している場合は、移転にあわせてSSL化するかどうかも検討できます。
旧サーバーはいつ解約するか
「しばらく残す」とだけ決めておくと、判断がつかないまま契約が続いたり、逆に早く止めすぎたりします。次の4点がそろってから解約する、と決めておくと迷いません。
- 新しいホームページとフォームが正常に動いている
- 新しいメール環境で、全員が送受信できている
- 旧サーバー側へ新しいアクセスやメールが来なくなった
- 必要なバックアップを手元に保管した
あわせて、解約日の扱いと返金の条件を、契約先へ先に確認しておいてください。月の途中で止められるか、日割りがあるかは会社によって違います。
ドメインの契約先も移すかどうか
ドメインの管理会社まで一緒にまとめるかどうかは、目的によって変わります。
移管できる条件・かかる日数・更新との前後関係は、ドメインの種類と管理会社によって異なります。更新期限が近いときは、現在の管理会社と移管先の両方に「更新と移管のどちらを先にすべきか」を先に確認してください。更新を逃した場合に何が起きるかはホームページのドメイン・サーバーの更新を忘れるとどうなる?にまとめています。
費用の目安
弊社の料金表から、移転に関係する項目を抜き出すと次のとおりです。いずれも税込表記で、「〜」は開始価格です。
移転代行が2行に分かれているのは、データベースを使っているかどうかで作業が変わるためです。WordPressで作られたホームページはデータベースを使います。ご自身のサイトがどちらか分からない場合は、そのままお伝えいただければこちらで確認します。
ただし、どちらも開始価格です。ネームサーバー設定やメールアカウント設定が移転代行に含まれるか、別途になるかは作業範囲によって変わりますので、お見積もりのときに「どこまでが含まれるか」をご確認ください。
費用の条件についても、「サーバー維持費用は含まれません」と書かれているのは移転代行の2項目、「ドメイン維持費用は含まれません」と書かれているのはサーバー構築・ドメイン取得代行です。その他の作業の料金範囲は個別にご確認ください。
いずれにしても上の金額は作業料なので、移転で費用を下げたい場合は、作業料と、月々いくら下がるのかを並べて見ると判断しやすくなります。
なお、WordPressを長く更新していない場合は、移転とは別に最新化が要るかどうかも確認します(料金表では「WordPress最新化(本体・プラグイン・PHP更新)22,000円〜」として別の作業になっています)。同時に行うと、不具合が出たときに移転と更新のどちらが原因か切り分けにくくなるため、実施する場合は事前のバックアップを取ったうえで、作業の範囲と料金を分けて確認してください。放置した場合のリスクはWordPressを更新せず放置すると危険?にまとめています。
サイト自体が古く作り替えも視野に入っている場合は、移転だけで済ませるかどうかから考えたほうがよいこともあります。判断の材料はホームページのリニューアル費用はいくら?をご覧ください。
自分でやるか、依頼するかの判断
ご自身で移転できるかどうかは、ページ数の多さだけでは決まりません。次の項目がそろえられるかで考えます。
このうちどれかが確認できない場合は、作業範囲を整理したうえで依頼を検討されることをおすすめします。特に、サービス終了などで期限が決まっている場合はやり直す時間が取れません。
WordPressの場合は、ファイルだけを移してデータベースを移さないと、データベース接続のエラーになったり、記事や設定が正しく表示されなかったりします。画面がおかしいときの見方はホームページが表示されない|原因の切り分け方と復旧までの流れにまとめています。
相談の前に用意しておくと早いもの
ご相談の段階で次の3つがはっきりしていると、見積もりも作業も速くなります。
- 今のサーバーとドメインの契約先、そして名義——請求書やクレジットカードの明細から辿れることがあります
- メールアドレスの一覧と、誰がどの方法で読んでいるか——POP・IMAP・Webメールのどれか
- 旧サーバーをいつまで残せるか——重ねておける期間が長いほど、切り替えは安全になります
逆に、移転のあとに「そういえば」と出てきやすいのが、フォームの送信先アドレスや、ホームページに書いてあるメールアドレスです。移転にあわせて変える場合は、サイト内のどこに何が書いてあるかも一緒に洗い出しておくと二度手間になりません。
まとめ
- 分けて確認するのはホームページ・メール・ドメインとDNS設定。ドメインの契約先は変えなくてもよい(DNS設定を変更できることが前提)
- DNSはホームページ用とメール用が別。ネームサーバーごと移すときは、メール用の設定の移し忘れに注意する
- 過去のメールは自動では移らないことがあり、メールソフトに見えていても手元に保存されているとは限らない
- 切り替え中は同じメールが新旧の両方に届くわけではないので、どちらの受信箱も個別に確認する
- コピーから切り替えまでに増えた分は、直前にもう一度移し直す
- 旧サーバーの解約は4点を確認してから。解約日と返金条件は先に契約先へ確認する
- 費用はサーバー移転代行33,000円(税込)〜、データベースを含む場合55,000円(税込)〜。どちらも開始価格で、総額は作業範囲を含めた見積もりで確認する
移転のあと、管理までまとめて任せたい場合は保守・管理契約という形もありますし、更新や修正だけを頼みたい場合はホームページ更新・修正サポートもご用意しています。
今のサーバーがどうなっているか分からない、という状態からでも構いません。ご相談いただければ、まずは現状の確認からご案内します。
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