「PHPのバージョンを上げてください」と連絡が来た|放置するとどうなるか・進め方と費用の目安
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「ご利用のサーバーでPHP7系のサポートを終了します」「PHPのバージョンを上げてください」——サーバー会社からこうした案内が届いて、そのままになっている、というご相談をいただきます。
案内には期限が書かれていても、何が起きるのか、こちらで何をすればいいのかまでは書かれていないことがあります。ホームページの管理を任せている先があれば転送すれば済みますが、任せる先が無い場合は、まず何の話なのかが分かりません。
この記事では、PHPのバージョンアップとは何を切り替える話なのか、そのままにしておくとどうなるのか、進め方と費用の目安を整理します。先に要点を書くと、切り替えるのはサーバー側の設定ですが、止まるのはホームページ側です。順番を逆にすると、切り替えた直後にページが表示されなくなることがあります。
PHPは、ホームページを動かしている側の仕組み
PHPは、サーバーの上で動くプログラムの言語です。WordPressはこのPHPで作られていて、通常はページへのアクセスに応じてサーバー側でPHPが動き、記事や設定を組み立てて画面を返しています。
そのためPHPのバージョンを変えるのは、デザインや文章を触る作業とは種類が違います。ホームページのファイルは何も変えていないのに、表示が変わったり止まったりするのはこのためです。なお、キャッシュを使っている場合は、PHPを動かさずに保存済みの画面を返していることもあります。
逆に、HTMLだけで作られていてプログラムを使っていないページは、影響が小さくなります。ただしお問い合わせフォームはPHPで動いていることがあるので、「うちは簡単なつくりのサイトだから関係ない」とは限りません。PHPのバージョンとシステムの関係はPHPバージョン切り替えでWordPressとEC-CUBEを安全に保つ方法でも触れています。
サーバー会社から案内が来るのはなぜか
PHPはバージョンごとにサポートの期限が決められていて、期限を過ぎると、新しく見つかった問題があっても修正が提供されなくなります。2026年8月時点で7系はすべてサポートが終了しており、8系も古いものから順に終了していきます。今どのバージョンがサポート対象かは公式のスケジュールとして公開されているので、切り替え先を決めるときに確認します。
サーバー会社が期限を切ってくるのは、古いバージョンを動かし続けること自体が危険になるためです。ここで先に見ておきたいのは、案内に書かれている次の2点です。
- いつまでか——選べるバージョンから消える日、または切り替えが行われる日
- 自動で切り替わるのか、こちらで切り替えるのか——ここが会社によって違います
自動で切り替わる場合は、こちらが何もしなくても期日に切り替わります。準備が済んでいないと、その日に表示やフォームなどに不具合が出たり、サイトが止まったりすることがあります。
もうひとつ確認しておきたいのが、その設定がどの範囲にかかるかです。サーバーによってはPHPの設定が契約(アカウント)単位になっていて、同じ契約の中に入れている別のサイトも一緒に切り替わります。1つの契約で複数のサイトを運用している場合は、切り替えの前に全部のサイトを確認する必要があります。サイトごとに設定できるサーバーもあるので、まず自分の環境がどちらかを確かめてください。
そのままにしておくとどうなるか
まず、サポートが終了したからといって、翌日にホームページが止まるわけではありません。サーバー会社がそのバージョンを提供し続けていて、設定も変わらないうちは、古いPHPのままでも動き続けます。逆に言えば、止まるきっかけになるのは提供の終了や自動切り替えの日です。起きるのは、次のようなことです。
困るのは3つ目です。準備をしないまま期日を迎えて、朝サイトを見たら表示が止まっていたという順番になると、原因の確認から始めることになり、手間が増えます。
更新を止めたまま放置した場合に何が起きるかはWordPressを更新せず放置すると危険?乗っ取り・改ざんのリスクと安全に最新化する方法に、実際に改ざんされた場合の動き方はホームページが改ざんされた・乗っ取られた|今すぐやることと復旧の手順にまとめています。
切り替えるときに何が起きるか——サーバーのスイッチだけではない
PHPの切り替えはサーバー側で行います。管理画面でバージョンを選べる場合もあれば、サーバー会社への依頼が必要な場合もあり、方法と反映されるまでの時間は契約先によって違います。いずれにしても切り替え自体はそれほど時間のかかる作業ではなく、確認が要るのは切り替えたあとに何が動かなくなるかのほうです。
古い書き方が新しいPHPで使えなくなっていると、その部分でエラーになります。対象になるのは次のものです。
出る症状は一通りではありません。画面が真っ白になる、エラーの文言だけが出る、表側は見えるのに管理画面に入れない、フォームの送信だけ通らない、一部のレイアウトだけ崩れる——といった形で現れます。
サイト全体が止まるとは限らず、一部だけ動かなくなることがあるのがやっかいなところです。切り替えたあとは、トップページが表示されたことだけで判断せず、実際に使う操作まで試してください。表示が止まった場合の切り分けはホームページが表示されない|真っ白・エラー画面の原因の切り分け方、崩れだけが出た場合はホームページの表示が崩れた!よくある原因と直し方をご覧ください。
なお、ネットショップをEC-CUBEで運用している場合は、バージョンによって対応するPHPの範囲が決まっています。組み合わせはEC-CUBE 2・3・4・5を一気に比較!運営フェーズ別おすすめバージョンにまとめています。
進め方——先にホームページ側、あとからサーバー
順番を間違えなければ、切り替え自体は難しい作業ではありません。おおまかな流れは次のとおりです。
- 今のPHPのバージョンと、案内に書かれた期限・自動切り替えの有無を確認する
- ファイルとデータベースのバックアップを取り、戻し方まで確認して「元に戻せる状態」を作る
- WordPress本体・テーマ・プラグインを、新しいPHPに対応した状態にする
- 可能であれば、テスト環境で新しいPHPに切り替えて先に動かしてみる
- サーバーのPHPを切り替える
- 表示・管理画面・フォーム送信・ログインなど、実際に使う操作まで確認する
- 問題が出たら、直すか、まずはPHPの設定だけを元に戻す
今のバージョンは、サーバーの管理画面のほか、WordPressの管理画面の「ツール」内にあるサイトヘルスからも確認できます。ここには推奨されるバージョンの案内も出るので、状況を把握する最初の一手として使えます。
一度に全部を変えない
WordPressの更新とPHPの切り替えを同時に行うと、不具合が出たときにどちらが原因か切り分けにくくなります。3番と5番は分けて、それぞれのあとに動作を確認してください。作業としては遠回りに見えますが、戻すときの手間が変わります。
戻せるかどうかを、切り替える前に確認しておく
PHPのバージョンは、管理画面から前のバージョンへ戻せる場合があります。ただし戻せる範囲はサーバー会社と契約プランによって違うので、切り替える前に「戻せるかどうか」を確認しておきます。
また、PHPを戻しても、その前の手順で更新したWordPress本体やプラグインは戻りません。最終的な保険はバックアップで、PHPを戻せることはその代わりにはならない、と考えておくのが安全です。
ただし、バックアップからの復元はデータベースをその時点の内容で置き換える作業です。バックアップを取ったあとに届いた問い合わせ、注文、会員登録、記事の更新は、復元すると消えます。そのため復元を行う場合は、作業中の更新をいったん止め、後から増えた分を別に控えてから戻します。取ってあること自体より、この段取りのほうが大事です。
更新が止まっているサイトほど段差が大きい
数年間まったく更新していない場合、WordPress本体を一気に新しくすることになり、テーマとプラグインの対応が同時に問題になります。プラグインの世代交代でつまずく例はACFとSCFの対立を徹底解説!WordPressユーザーが今取るべき行動で扱っています。
この段差が大きすぎる場合は、直しながら上げるより作り替えたほうが結果的に早いこともあります。判断の材料はホームページは修正で直す?作り直す?判断の目安とホームページのリニューアル費用はいくら?にまとめました。今の状態を先に見ておきたい場合はホームページの健康診断|放置しがちなチェック項目もあわせてどうぞ。
自分でやるか、依頼するかの判断
ご自身で進められるかどうかは、次の項目がそろうかで考えます。
このうちどれかが確認できない場合は、作業範囲を整理したうえで依頼を検討されることをおすすめします。特に期限が決まっている場合は、やり直す時間が取れません。
管理画面に入れない、そもそも誰が管理しているか分からない、という状態から始まることもあります。その場合の確認の順番はホームページを自分で更新できない…よくある原因と対処法、担当者が退職して引き継ぎが無い場合はホームページ担当者が退職して更新できない!確認事項と引き継ぎの手順、制作会社と連絡が取れない場合は制作会社と連絡が取れない|放置状態のホームページを立て直す手順にまとめています。
費用の目安
弊社の料金表から、この作業に関係する項目を抜き出すと次のとおりです。いずれも税込表記で、「〜」は開始価格です。
まず見ていただくのは1行目です。更新前のバックアップと、更新後の表示確認は、この作業に含まれています。表の3行目・4行目のバックアップは、バックアップだけを単体で依頼される場合の料金です。
1行目の金額に幅があるのは、料金表に書かれているとおりPHPのバージョンアップや、更新に大幅な遅れがある場合は、必要な作業の規模によって増減するためです。独自に作られたテーマやプログラムがある場合は、料金表に載っていない個別の対応になりますので、お見積もりでご確認ください。
また、今お使いのサーバーで新しいPHPが選べない場合は、まずサーバー会社に、対応の方法やプラン変更でどうにかならないかを確認してください。管理画面に出ていないだけで、依頼すれば切り替えられることもあります。それでも利用できない場合に、移転を検討することになります。表の下2行がその作業で、進め方と注意点はホームページのサーバーを引っ越したい|移転の進め方とメールの注意点にまとめています。同じサーバーで長く運用していて表示も重い、という場合はホームページの表示が遅い|原因の切り分け方と改善の方法もあわせてご覧ください。
毎回のこととして任せる形もあります
PHPの案内は一度きりではありません。バージョンごとにサポート期限があるので、数年ごとに同じ連絡が来ます。そのたびに単発で対応するか、日常の管理に含めてしまうかは選べます。
いずれも税込で、最低契約期間は3ヶ月、解約はお申し出の1ヶ月後となります。年間払いにすると1ヶ月分が無料になります。保守契約で何をしているのかはホームページの保守・管理契約は何をしてくれる?費用の目安と、契約していないと起きることにまとめました。
ご相談の前に用意しておくと早いもの
- サーバー会社から届いた案内そのもの——期限と、自動で切り替わるかどうかが書かれています
- サーバーの管理画面に入れるかどうか——入れる場合はその情報、分からない場合は「分からない」で構いません
- WordPressかどうか、分かればテーマの名前
- 独自に作ってもらった機能の有無——フォーム、予約、会員、外部サービスとの連携など
ここが分からない状態からのご相談でも問題ありません。こちらで確認するところから始められます。
まとめ
- PHPはホームページを動かしている側の仕組み。切り替えるのはサーバーの設定だが、影響が出るのはホームページ側
- 案内で先に見るのは期限と、自動で切り替わるかどうか。契約単位で設定されるサーバーでは、同じ契約の他のサイトも一緒に切り替わる
- サポート終了ですぐ止まるわけではないが、問題が見つかっても修正が提供されず、新しいPHPを必須とする更新は当てられなくなる
- 順番はバックアップ→ホームページ側を対応させる→サーバーを切り替える→実際に使う操作まで確認。同時に変えると原因の切り分けが難しくなる
- 止まり方は全体とは限らず、フォームだけ、管理画面だけ動かないこともある
- 費用はWordPress最新化22,000円(税込)〜で、開始価格。PHPのバージョンアップや更新の遅れがある場合は規模により増減する。新しいPHPが選べない場合は、まずサーバー会社に確認し、それでも無理なら移転を検討する
更新や修正をそのつど頼みたい場合はホームページ更新・修正サポート、管理までまとめて任せたい場合は保守プランという形もあります。
「案内は来ているけれど、うちのサイトが何で動いているのか分からない」という状態からで構いません。ご相談いただければ、現状の確認からご案内します。
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