Googleにミラーサイトと誤認されないためのホームページ運用術
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ミラーサイトとは、あるホームページとほとんど同じ内容を、別のドメインやURLで公開しているサイトのことです。自社で意図して作る場合もあれば、他人に自社のサイトを丸ごとコピーされてできる場合もあります。
どちらの場合も、Googleは中身がほぼ同じページを見つけると、その中から1つを代表として選び、検索結果にはその1つだけを出すようにしています。自社のページが代表に選ばれていれば大きな問題にはなりにくいのですが、別のドメインのほうが選ばれていると、せっかくのページが検索に出にくくなります。

この記事では、ミラーサイトがあると検索で何が起きるのか、他人にコピーされたサイトの見つけ方と、見つけたときの対処の順番、コピーされにくくする予防策、自社で .co.jp と .jp のように複数のドメインに同じ内容を置いている場合の整理のしかたまでを順にご説明します。
ミラーサイトとは
もともとミラーサイトは、アクセスが集中するサイトの負荷を分けるために、同じ内容を別のサーバーにも置いておく仕組みを指す言葉でした。いまホームページの運営で問題になるのは、主に次の2つです。
サイト全体を丸ごと写したものを「ミラーサイト」、文章や写真の一部だけを写したものを「コピーサイト」「コピーコンテンツ」と呼び分けることもありますが、見つけ方と対処の考え方はほぼ同じです。
ミラーサイトがあると検索で何が起きるか
Googleは、同じように見えるページや中身がよく似たページを見つけると、それらを1つのまとまりにして、その中から最も適切なものを「正規のページ(代表のURL)」として選びます。検索結果に出るのは、原則としてこの代表のページです(Google検索セントラル「正規化とは」)。
よく「ミラーサイトはペナルティを受ける」と言われますが、同じ内容のページがあること自体は、Googleのスパムポリシーの違反にはなりません。Googleの説明では、サイト内に重複があるのはよくあることで、検索結果にどちらを出すかを選ぶだけです。
一方で、他のサイトの内容を集めて、独自の価値を加えずに転載し、検索順位を上げる目的で公開することは、スパムポリシーで「スクレイピング」として禁止されています(Google検索セントラル「スパムに関するポリシー」)。他人のサイトを丸ごと写し、検索順位を操作する目的で公開している場合は、作った側がこのポリシーに当たるおそれがあります。
コピーされた側について、Googleは2008年の公式ブログで、どちらが元のサイトかをさまざまな手がかりで判断しており、通常はうまく見分けられると説明しています(Google Search Central Blog・英語)。ただ、いつも元のサイトが選ばれるとは限りません。困るのは次のような場面です。
- コピーされたページのほうが検索結果に出て、自社のページが出なくなった
- 自社で持っている別のドメインのほうが代表に選ばれ、力を入れているドメインのページが出ない
- コピーされたサイトにお問い合わせフォームや電話番号まで載っていて、お客様が間違えて連絡してしまうおそれがある
他人にコピーされたミラーサイトの見つけ方
コピーされていても、こちらに知らせが来ることはまずありません。次の方法で、ときどき確かめるのがおすすめです。特に、ある日を境に一部のページだけ検索順位が大きく下がったときは、そのページから調べてみてください。
文章の一部を「" "」で囲んで検索する
自社のページの中から、他にはまず無い言い回しの一文(20〜40文字ほど)を選び、半角の「"」で前後を囲んでGoogleで検索します。囲むと、その一文と同じ文章が載っているページを探しやすくなります。自社のページ以外が出てきたら、コピーされている可能性があります。ただし、検索に出てこなくても、コピーされていないとは言い切れません。会社の紹介文や、代表あいさつ、サービス説明の一文など、ページごとに試すと見つけやすくなります。
あわせて、会社名や屋号、電話番号を「" "」で囲んで検索するのも有効です。丸ごと写したミラーサイトには、会社名や電話番号がそのまま残っていることがよくあります。
写真で検索する
施工事例や商品の写真など、自社で撮った写真は、Googleの画像検索(Googleレンズ)で同じ写真が載っているページを探せます。文章を書き換えられていても、写真はそのまま使われていることがあります。
Search Consoleで確かめる
Search Console(サーチコンソール)を登録している場合は、次の2つを見ます。
- URL検査: 調べたいページのURLを入れると、Googleに登録済みのページなら「Google が選択した正規URL」を確かめられます。ページの中で正規のURLを指定している場合は、「ユーザーが指定した正規URL」もあわせて表示されます。「公開URLをテスト」(ライブテスト)の結果では、Googleがどちらを選ぶかは分かりません(Search Console ヘルプ「URL 検査ツール」)。Googleが選んだ正規URLが自社のURLになっていれば、検索ではこちらが代表として扱われています。ここに見覚えのないドメインが出ていたら、早めに対処が必要です
- リンク: 「リンク」の画面で、自社のサイトにリンクしているサイトの一覧を見ます。見覚えのないドメインがたくさん並んでいたら、ページの中のリンクごと写されている場合があります
このほか、コピーされた文章を探すためのチェックツールも各社から出ています。毎回手で探すのが大変な場合は、Googleアラートに会社名や特徴的な一文を登録しておくと、その語句を含むページが新しく見つかったときにメールで知らせてくれます。

無断でコピーされたときの対処の順番
見つけたときは、慌てて相手に連絡する前に、次の順番で進めます。
1. 証拠を残す
コピーされたページのURL、見つけた日時、画面の写し(スクリーンショット)を残します。自社のページがいつから公開されているかが分かるもの(制作時のデータ、公開日が分かる記録など)も手元に集めておきます。相手が途中でページを消したり変えたりしても、あとで説明できるようにするためです。
2. 自社のページが代表として扱われているか確かめる
前の節のURL検査で、Googleが選んだ正規URLが自社のURLかを確かめます。自社のページがきちんと代表になっていれば、検索での実害は小さいことが多く、落ち着いて次の手順に進めます。自社のページが代表になっていない場合は、あわせて自社のサイトにも原因がないかを見ます。Googleは、元のサイトが検索のロボットから読めない状態になっていないか(robots.txt で止めてしまっていないか)を確かめるよう案内しています。
3. 相手のサイトの管理者に削除を求める
相手のサイトに連絡先が載っていれば、どのページのどの部分が自社のものか、削除してほしいことを書面(メールやお問い合わせフォーム)で伝えます。ただし、丸ごと写したミラーサイトは連絡先がでたらめだったり、連絡しても返事がなかったりすることも少なくありません。連絡した記録も残しておきます。
4. サーバー会社・ドメインの管理会社に申告する
相手のドメインを Whois(ドメインの登録情報を調べる仕組み)で調べると、ドメインの登録を管理している会社や連絡窓口が分かることがあります。使っているサーバー会社は、Whoisでは分からないことも多く、別に調べる必要があります。多くのサーバー会社やドメインの管理会社には、権利の侵害や不正利用を受け付ける窓口があります。各社の窓口の案内に沿って、コピーされたページと自社のページのURL、証拠を添えて申告します。
5. Googleに著作権侵害を申し立てる
検索結果からコピーされたページを外してほしい場合は、Googleの「法的な理由でコンテンツを報告する」から、著作権侵害の申し立て(アメリカの著作権法に基づくDMCA通知)を送れます(Google「法的な理由でコンテンツを報告する」、Google「デジタル ミレニアム著作権法」)。申し立てる前に、次の点を知っておいてください。
- 申し立てできるのは、著作権を持っている本人か、その正式な代理人です。文章や写真を制作会社やカメラマンが作った場合は、契約で権利がどちらにあるかを先に確かめます
- 申し立てを受けると、Googleが内容を審査し、検索結果から外すかどうかを判断します。必ず外れるとは限らず、どのくらいで結果が出るかも決まっていません
- 送った通知の写しは、Lumen という団体に送られて公開されることがあります(個人の電話番号やメールアドレスなどは除かれます)。検索結果には、外したページの代わりにその通知へのリンクが出ることがあります
- 事実と違う内容で申し立てると、損害賠償を求められることがあります。相手のサイトからの異議申し立ての仕組みもあり、その場合はページが戻されることがあります
6. 被害が大きいときは弁護士に相談する
お客様がコピーされたサイトに連絡してしまった、商品の注文やお金の振り込みを受け付けている、といった実害が出ている場合は、弁護士への相談を考えてください。Googleも、著作権の侵害に当たるかどうか判断に迷うときは、まず弁護士に相談するよう案内しています。お客様が間違えないよう、自社のホームページに「当社と関係のないサイトがあります」とお知らせを出しておくことも役に立ちます。
コピーに備えて、ふだんからしておくこと
コピーを完全に防ぐ方法はありません。次のうち、RSSの設定はコピーされる機会を減らすためのもの、それ以外はGoogleに正しいURLを伝えたり、異変に早く気づいたりするためのものです。
- 各ページに、自分自身のURLを指す canonical タグ(正規のURLを伝えるタグ)を、https:// から始まるURLで入れておく。丸ごと写されたページに、このタグが残ることがあります
- Search Console を登録し、自社のサイトマップを送っておく。ページを公開したらURL検査からインデックス登録をリクエストしておく
- ブログの更新情報(RSS)で本文を全部配信している場合は、冒頭だけの配信にする。RSSから自動で記事を集めて載せるサイトがあるためです
- リニューアル中のテスト環境は、IDとパスワードをかける(ベーシック認証)か、検索に出さない設定にしておく
自社で複数のドメインに同じ内容を置いている場合
ここからは、自社でミラーサイトを作ってしまっている場合です。「.co.jp を取ったあとで .jp も取り、両方で同じサイトを見せている」「ドメインを変えたが、旧ドメインでも同じサイトが表示される」といった形は、中小企業のサイトでよく見かけます。
この場合もペナルティを受けるわけではありませんが、Googleが代表をどちらにするかは、こちらの希望どおりになるとは限りません。Googleが代表を選ぶときに見ているのは、主に次の点です(Google検索セントラル「正規化とは」)。
- https で表示されているか(http より https のページが優先されます)
- リダイレクト(別のURLへの転送)が設定されているか
- サイトマップに載っているか
- canonical タグでどのURLを指定しているか
まとめ方は3つ
どの形にするかで、やることが変わります。
Googleは、複数のドメインを1つにまとめることを「サイトの移転」の1つとして扱い、旧URLと新URLを1対1で対応させた301リダイレクトを勧めています(Google検索セントラル「URL の変更を伴うサイト移転」、Search Console ヘルプ「アドレス変更ツール」)。また、301などの恒久的なリダイレクトそのものによって、PageRank(リンクによる評価)が失われることはないと説明しています。
やらないほうがよいこと
- 片方のページに noindex(検索に出さない指定)を付けて代表を決めようとする。Googleは、代表を選ばせる目的で noindex を使うことを勧めていません。ページそのものが検索から消えてしまうためです
- robots.txt で片方を読めないようにする。Googleはこれも正規化の目的で使わないよう案内しています
- 転送、canonical タグ、サイトマップで、それぞれ別のURLを代表として指定する。信号が食い違い、Googleが判断しにくくなります
- 「〇〇市 塗装」「△△市 塗装」のように地域名ごとにドメインを取り、ほとんど同じ内容のサイトを並べる。検索の入口を増やす目的のこうしたサイトは、スパムポリシーの「誘導ページ」に当たるおそれがあります
サイトの中のリンクも、代表にしたいURLへ揃えておくと、Googleに希望が伝わりやすくなります(Google検索セントラル「重複した URL の統合」)。同じドメインの中で、www の有無や末尾の「/」の違いで同じページが2つ以上のURLになっている場合の直し方は、重複URLの直し方の記事でご説明しています。
サーバー移転やリニューアルのあとに旧サイトが残っている場合
サーバーを移したあとに旧サーバーの契約が残っていたり、リニューアル用に作ったテスト環境がそのまま公開されていたりすると、知らないうちに同じサイトが2つ表示されている状態になります。旧サーバーにあるのが同じドメインのサイトなら、ドメインの向き先が新しいサーバーになっているかを確かめてから、旧サーバーのサイトを止めます。旧ドメインのサイトなら、新しいサイトへの転送をかけ、転送が続けられるように旧ドメインの契約は残しておきます。テスト環境は、パスワードをかけるか、使い終わったら消します。
自社のページが代表になっているか確かめる手順
無断コピーで証拠を残したあとや、自社の複数のドメインを整理するときは、次の手順で代表のURLを確かめます。
- Search Console に、自社で持っているドメインをすべて登録する(使っていないドメインも含めて)
- トップページ、よく見られているページ、お問い合わせにつながるページを、URL検査で1つずつ調べる
- 「Google が選択した正規URL」が、代表にしたいURLになっているかを見る
- 違っていたら、上の表を参考に設定を直す。301リダイレクトをかけた場合は、転送先(残すほう)のURLを検査し、インデックス登録をリクエストする
- 2〜4週間ほどたってから、もう一度URL検査と検索順位を確かめる
検索順位が急に落ちて、原因がミラーサイトなのか別のことなのか分からない場合は、アクセスが急に減った・検索順位が落ちたときの記事もあわせてご覧ください。
blancに依頼する場合
検索に出なくなった・順位が落ちた原因の切り分けは、料金表の「アクセス減少・順位下落の原因調査」で承っています。
Googleへの著作権侵害の申し立ては、著作権を持っているご本人か、その正式な代理人が行う手続きです。相手のサイトへの削除の請求も含め、権利関係や申し立ての進め方に迷う場合は弁護士にご相談ください。検索に出なくなった原因の調査のご相談は、お問い合わせからどうぞ。
よくある質問
ミラーサイトがあると、自社のサイトがペナルティを受けますか?
同じ内容のページがあるだけで、ペナルティを受けることはありません。Googleは、似たページの中から1つを代表に選び、検索結果にはそれを出します。ただし、地域名ごとにドメインを取って同じようなサイトを並べるなど、検索の入口を増やす目的で作った場合は、スパムポリシーの違反に当たるおそれがあります。
他人にコピーされると、自社の検索順位は下がりますか?
Googleは2008年の公式ブログで、どちらが元のサイトかは通常うまく見分けられると説明しています。ただ、いまの検索結果で必ず元のサイトが選ばれるとは限りません。URL検査で、自社のページが代表として扱われているかを確かめてください。
Googleに申し立てれば、コピーされたページは必ず消えますか?
必ず消えるとは限りません。Googleが内容を審査して判断します。また、Googleが外すのは検索結果からで、相手のサイトそのものが消えるわけではありません。相手のサイトからの削除を求めるときは、サイトの管理者やサーバー会社への申告を考えます。こちらも、申告すれば必ず削除されるとは限りません。
.co.jp と .jp の両方を持っています。どちらを残すべきですか?
名刺やパンフレット、メールアドレスで使っているほう、これまで長く使ってきて他のサイトからリンクされているほうを残すのが一般的です。残さないほうのドメインは、契約を続けたまま、各ページから残すほうへ301リダイレクトをかけておきます。ドメインの契約を切ると、そのドメインを第三者に取られるおそれがあるためです。
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