EC-CUBE 2・3・4・5を一気に比較!運営フェーズ別おすすめバージョン
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国内オープンソースECプラットフォームの代表格 EC-CUBE は、2006年の初版リリース以来、約20年にわたり進化を続けています。現在も 2.x/3.x/4.x が並行して使われ、さらに 5.x(開発者向けプレビュー) が登場しています。「どのバージョンを選ぶべきか」「旧バージョンから移行する価値があるのか」――そんな疑問に応えるため、本記事では主要リリースを横並びで比較し、運用規模・開発体制・今後の拡張計画に合わせた選定ポイントを紹介します。
バージョン別サマリー
※公式マーケットプレイス登録数の概数(2025年4月時点)
EC-CUBE 2.x ─ “枯れた”王道安定派
- メリット
- プラグインや導入事例が多く、検索すれば日本語情報が豊富。
- カスタマイズ例が膨大で、社内に「2.xだけ触れる」という人材が残りやすい。
- デメリット
- PHP8 非対応。最新OS環境で動かすにはパッチやDocker必須。
- 管理画面が旧UIでモバイル非最適化。
- こんな人向け
- レガシー環境を維持しつつ、なるべく低コストで運営を続けたい小規模店舗。
EC-CUBE 3.x ─ MVC化への布石だが“狭間”の立ち位置
- 特徴
- Symfony2 採用でモジュール構造を一新。ただし 2.x の資産をほぼ引き継げず、エコシステムが分断。
- ページキャッシュやログ周りの性能改善が図られたが、プラグイン実装方法が4.xと非互換。
- 注意点
- 公式サポートが終了。セキュリティパッチは自力適用が前提。
- 将来的なマイグレーション先はほぼ 4.x 一択。
EC-CUBE 4.x ─ 現行主流&拡張性のバランス型
- 強み
- Symfony4+Twig によりモダンなDI・イベント駆動開発が可能。
- Composer に正式対応し、CI/CD パイプライン構築が容易。
- 公式マーケットプレイスに 4.x専用プラグイン が増加中。
- 導入例
- 2021年以降リニューアル案件の8割以上(編集部調べ)が 4.x を採用。
- 流通総額数十億円規模でもレスポンスを担保できた事例あり。
- コードスニペット(クリーンインストール)
# PHP 8.1 推奨
composer create-project ec-cube/ec-cube:^4.3 myshop
cd myshop
bin/console eccube:install
EC-CUBE 5.x ─ 次世代プラットフォームの“いま”
- 現状
- 2024年末に Developer Preview が公開。マイクロサービス分割と SPA 管理画面を試験中。
- 公式ドキュメントは英語・日本語双方で更新途上。
- 期待される機能
- APIファースト設計(REST/GraphQL)。
- プラグインストア向け SaaS 配信モデル。
- 高度なマルチテナント。
- リスクと対策
- 本番利用は非推奨(2025年7月時点)。サーバー費用試算や脆弱性検証を行う“検証用サブドメイン環境”で触るのが無難。
乗り換え判断チャート
現在の運用バージョン ─┬─ 2.x → 旧サーバーEOS? ─┬─ Yes → 4.x移行
│ └─ No → そのまま2.x
├─ 3.x → 独自カスタム多い? ─┬─ Yes → 4.x段階移行
│ └─ No → 4.xフルリプレース
└─ 4.x → API/ヘッドレス要件? ─┬─ Yes → 5.x検証
└─ No → 4.x継続
よくある質問(FAQ)
まとめ
- 安定運用重視なら 4.x、レガシー延命なら 2.x、将来のAPI拡張を見据えるなら 5.x を先行検証 が目安。
- 移行には コア改修量 × プラグイン互換 がコストを左右するため、まずは現状機能を棚卸しし、不要なカスタマイズを削ぎ落としてからバージョンアップ計画を立てると失敗が少なくなります。
- 公式Slack や GitHub Issues には移行事例が日々共有されています。迷ったらまずは検証環境を立て、コミュニティに質問しながら進めてみてください。
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